MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)策定の重要性

MVV、すなわちミッション、ビジョン、バリューの策定は、組織において非常に重要な役割を果たします。これらは組織の存在意義や目指す方向性、そして行動の基準を明確にし、メンバー全員が共有することで、統一感のある行動を促すものです。特に現代の複雑なビジネス環境において、組織のアイデンティティを明確にするためにMVVは不可欠です。

しかし、MVVがどれほど素晴らしく策定されていても、それだけでは組織を成功に導くことはできません。なぜなら、紙に書かれた言葉やスローガンは、それを実際に体現するリーダーの行動が伴わなければ、単なる空虚なフレーズに過ぎないからです。

鎌倉時代の大仏と念仏の教訓

鎌倉時代、日本は度重なる自然災害や飢饉、不安定な政治状況に直面していました。その中で、多くの人々が仏教の力を信じ、巨大な大仏を建立し、念仏を唱えることで苦難を乗り越えようとしました。しかし、これらの行為が直接的に人々の生活を改善したわけではありません。むしろ、具体的な行動や改革が欠けていたために、根本的な問題は解決されませんでした。

この歴史的な事実は、現代の組織運営にも通じるものがあります。どれだけ立派なMVVを掲げても、それを実現するための具体的な行動が伴わなければ、組織の現状は改善されません。リーダーが自身の行動を通じて率先垂範することが、組織全体を動かす鍵となるのです。

リーダーの行動が組織を変える

リーダーの行動が組織文化やメンバーの行動にどれほど影響を与えるかを考えてみましょう。リーダーが自らの行動を通じて示す価値観や姿勢は、メンバーにとって強力なメッセージとなります。以下に、リーダーが率先垂範することの重要性と、その具体的な方法を示します。

  1. 透明性と誠実さを示す:
    リーダーが透明性と誠実さを持って行動することで、メンバーはリーダーを信頼しやすくなります。問題が発生した際に隠すのではなく、オープンに対処する姿勢が組織全体の信頼を築きます。
  2. フィードバックの受け入れ:
    リーダーが自らフィードバックを積極的に受け入れ、改善する姿勢を見せることが重要です。これにより、メンバーもフィードバックを前向きに捉え、成長しようとする意欲が高まります。
  3. チームの一員として行動する
    リーダーが上から指示するだけでなく、自らもチームの一員として働くことで、メンバーのモチベーションが向上します。共に働く姿勢が、一体感を生み出します。
  4. 学び続ける姿勢を見せる
    リーダーが学び続ける姿勢を見せることで、メンバーも自己成長を目指す意識が高まります。リーダー自身が成長することで、組織全体の成長を促すことができます。

MVV策定とリーダーの行動の相乗効果

MVVは、リーダーの行動が伴って初めて真価を発揮します。リーダーが率先垂範し、MVVに基づいた行動を日々の業務に取り入れることで、メンバーはそのビジョンや価値観を実感し、共感します。リーダーの行動は、言葉だけでは伝わらないメッセージを強力に伝える手段です。

例えば、組織が「イノベーション」を重要なバリューとして掲げている場合、リーダーが新しいアイデアを積極的に取り入れ、リスクを恐れずチャレンジする姿勢を見せることで、メンバーもその価値を実感し、自らもイノベーティブな行動を取るようになります。

結論

MVVの策定は組織にとって重要なステップですが、それだけでは十分ではありません。リーダーが自らの行動を通じてMVVを体現し、メンバーに対して具体的な示範を行うことが、組織の成功に不可欠です。鎌倉時代の大仏建立と念仏のように、形だけの取り組みでは問題は解決しません。リーダーが率先垂範し、自らの行動で示すことが、組織全体を動かし、強い文化を築く鍵となるのです。

リーダーが変わることで、組織も変わります。自らの行動を見直し、日々の業務でMVVを体現することが、真のリーダーシップであり、組織を成功へと導く道です。

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