■ はじめに：なぜ、あのLINEだけが気になるのか
恋愛中になると、
・相手の文章の“句読点”
・スタンプの頻度
・返信までの時間
など、普段なら気にしないような細部が妙に気になりませんか？
そして、送られてきたLINEを何度も読み返しては、
「これって脈あり？」
「怒ってる？」
「冷めてる？」
と、深読みしすぎてしまう。
この現象には名前があります。
それが “恋愛的過敏性（romantic hypersensitivity）” です。
■ 恋愛的過敏性とは？
― 恋愛モードに入った脳の「警戒アンテナ」
恋愛的過敏性とは、
「好きな相手の言動に対して、脳が過度に敏感になる状態」 のこと。
脳科学的には、以下の回路がいつも以上に活性化した状態を指します。
✔ 1. 報酬系（ドーパミン）
相手の一言で感情が大きく上下し、
「もっと知りたい」「もっとつながりたい」
という欲求が強まる。
✔ 2. 不安回路（扁桃体）
“脈なしの可能性”に敏感になり、
小さな変化を危険信号として受け取る。
✔ 3. 推論回路（デフォルトモードネットワーク）
「本当はどう思っているんだろう」
という深読みが止まらなくなる。
気持ちが強くなるほど、脳は“確証を求めて”相手のLINEを分析し始めるのです。
■ LINEを読み返してしまう心理背景
● ① 相手への感情が強いほど「不確実性」が耐えられない
恋愛とは「答えのない状況」。
その不確実性に脳が耐えられず、
“相手の気持ちを読み解くためにLINEをスキャンする”
という行動が起きる。
● ② 微妙な変化を「拒絶のサイン」と誤認する
文末の「。」が冷たく見えたり、
急にスタンプが減ると不安になったり。
これは扁桃体の 「拒絶感受性」 が強まっているサイン。
● ③ 返信を待つ間に“仮想シミュレーション”が暴走
返信が来ない時間が長いほど、脳は空白を埋めようとして
「嫌われた？」
「重いと思われた？」
と、勝手に悪い方向に推測する。
■ 恋愛的過敏性が強い人の特徴
- 人の評価を気にしやすい
- 愛着不安が強め
- 相手の反応の変化に過敏
- “好きな人にだけ”緊張が強くなる
- 自己肯定感が上下しやすい
つまり、普段は落ち着いていても、
“好きになった瞬間だけ不安が暴走する”タイプの人が該当します。
■ 読み返しすぎて苦しい人へ：脳の負荷を下げる方法
✔ 1. 「これは脳の正常な反応」と知っておく
まず安心してほしいのは、
恋愛中の過敏性は自然な脳の仕組みであり、あなただけではない
ということ。
理解するだけで不安は軽減されます。
✔ 2. “読む回数”ではなく“読む時間”を決める
例：
・返信を考える前に3回だけ読む
・10秒以内で読む
（“時間”の制限は依存を防ぎやすい）
✔ 3. 「いま不安で分析してるな」とメタ認知する
深読みのループに入ったら、
“分析モードに入った私” と自覚するだけで脳の暴走は止まりやすくなります。
✔ 4. 不安になったら“身体側”から落ち着ける
深呼吸で迷走神経を刺激すると、
扁桃体の過活動が落ち着きます。
✔ 5. LINEの内容より「関係全体」で判断する
一つのメッセージではなく、
“総合的な態度”を見る習慣を持つと、不安が格段に減ります。
■ まとめ：恋愛的過敏性は“好きな証拠”でもある
LINEを何度も読み返してしまうのは、
あなたの心が弱いからでも、
重いからでもありません。
脳が「この人を失いたくない」と本気で感じている証拠。
ただし、過敏性が強すぎると、
恋愛が本来の楽しさを失ってしまいます。
不安を“コントロールできる形”に変えていけば、
好きな人との距離はもっと自然に縮まります。
