「知名度がないから応募が来ない」は本当か?
BtoB企業が抱える採用広報の大きな課題のひとつが、認知の壁です。
どれだけ業界内で信頼を得ていようと、一般的な学生や求職者には社名すら知られていない――それが現実です。
「うちは広告やマーケティングをやっていないから」
「知名度がないから仕方ない」
こうした声をよく耳にします。しかし、それは本当に仕方のないことなのでしょうか?
多くのBtoB企業が見落としているのは、“顔の見えなさ”こそが、応募につながらない最大の要因であるという事実です。逆に言えば、“社員の顔が見える企業”は、知名度がなくても選ばれるようになる可能性があるのです。
BtoB企業が採用で苦戦する3つの理由
1. 企業名では仕事内容がイメージしにくい
BtoB企業の多くは、特定業界向けのソリューションや製品を提供しており、一般消費者にとっては縁遠い存在です。学生がその企業名を初めて目にするのは、就職サイトや説明会の場であることがほとんどです。
結果として、仕事内容がイメージできず、「何をしている会社かわからない」ままスルーされてしまうことが多くなります。
2. 採用広報が“無難”になりがち
知名度に自信がない企業ほど、「間違ったことは言えない」「誤解を招いてはいけない」といった慎重な姿勢が強くなり、採用広報も無難な表現になりがちです。
制度や福利厚生、理念などを淡々と伝えるだけでは、学生の心に届くことは難しいでしょう。
3. 「人」が見えない=「働くイメージ」が湧かない
BtoB企業において特に大きいのが、社員の存在が見えにくいことです。どんな人が働いているのか、どんな雰囲気なのかが伝わらない企業は、学生にとって極めてリスクの高い選択肢に映ります。
解決の鍵は、“顔出し”による採用ブランディング
BtoB企業がこの壁を乗り越えるためには、社員自身が主役となる採用ブランディングが有効です。なかでも効果が高いのが、「社員の顔が見える」コンテンツづくりです。
ここでいう“顔出し”とは、単に写真を載せることだけを指すのではありません。
- 実名・顔写真つきの社員インタビュー
- 動画での仕事内容・キャリア紹介
- SNSでのリアルな日常発信
- 説明会やイベントでの双方向コミュニケーション
こうした取り組みにより、「ここには、信頼できる人たちがいる」「自分もここで働けそう」と、応募者がイメージを具体化しやすくなります。
なぜ“顔が見える採用広報”が効果的なのか?
1. 「誰と働くか」が最重要の時代
Z世代の学生や若手求職者にとって、企業選びの基準は大きく変わっています。かつてのように、「安定している会社」「知名度がある会社」ではなく、「自分が安心して働ける環境か」「一緒に働く人が信頼できるか」が重視されるようになっています。
つまり、制度や待遇よりも、“人”こそが企業の最大の魅力になっているのです。
2. 顔出しが信頼と共感を生む
匿名で書かれた情報よりも、実名と顔つきで語られるストーリーの方が、圧倒的に信頼性と説得力を持ちます。
たとえば、「営業部で働いている◯◯さんが、入社当初に悩みながらもチームに支えられて乗り越えた」というエピソードは、制度紹介以上に学生の心に残ります。
また、顔が見えることで共感が生まれ、「この人のように働いてみたい」と思わせることができます。
社員が主役になる採用ブランディングの実践例
社員インタビューの刷新
ただ「入社のきっかけ」「今の仕事内容」「今後の目標」だけを並べるインタビューではなく、もっと“人間味”や“ストーリー”にフォーカスしましょう。
- なぜこの会社を選んだのか(迷いや葛藤)
- 入社して驚いたこと(良い意味でも悪い意味でも)
- 失敗体験とそこから学んだこと
- 休日の過ごし方や趣味の話
こうしたパーソナルな情報を交えながら構成すると、読者との距離が一気に縮まります。
動画やSNSでの顔出し発信
企業紹介動画の中で社員が登場し、自分の言葉で会社の魅力を語る。InstagramやTikTokで、日常の社内風景を社員が投稿する。
そうした取り組みを通して、企業は“抽象的な存在”ではなく、“誰かが働くリアルな場所”として受け取られるようになります。
「顔を出すのはリスク」ではなく「出さないことがリスク」
もちろん、「社員の顔を出すのはリスクがある」「個人情報や炎上が怖い」という声もあるでしょう。確かに、社内でのガイドライン整備や本人の同意取得は必須です。
しかし、それ以上にリスクなのは、社員の存在を伏せたまま、学生に選ばれなくなることです。
顔の見えない会社は、信頼されない時代に突入しています。だからこそ、企業が覚悟をもって、“顔が見える採用”に取り組むことが、未来の人材との接点を拓く第一歩となります。
まとめ:BtoB企業こそ、“顔”で語れ
知名度がない。BtoCのような華やかさがない。そうした不利を前提とする必要はありません。
むしろ、社員の魅力や職場のリアルを“顔出し”によって伝えることができれば、それ自体が大きな差別化要素になります。
BtoB企業だからこそ、“人”の存在を前面に出すことが、採用市場において信頼と共感を勝ち取る鍵になるのです。
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