なぜ新人にビジネスコミュニケーションが求められるのか
新社会人として仕事を始める際、最も重要なスキルの一つが「ビジネスコミュニケーション」です。どれだけ専門知識を持っていても、相手にうまく伝えられなければ、信頼を築くことは難しく、業務の円滑な進行も期待できません。
ビジネスの現場では、単なる会話のやりとりだけでなく、相手の立場を考えながら、論理的かつ的確に伝える能力が求められます。しかし、多くの新人が以下のような悩みを抱えがちです。
- 伝えたつもりなのに、相手にうまく伝わらない
- 上司や先輩とのコミュニケーションで緊張してしまう
- 要点がまとまらず、話が長くなってしまう
- 相手の意図を正しく理解できず、的外れな返答をしてしまう
こうした課題を克服するためには、心理学的なアプローチを活用しながら、効果的なビジネスコミュニケーションの基礎を身につけることが重要です。本記事では、新人が押さえるべき「伝わるビジネスコミュニケーション」のポイントを解説します。
ビジネスコミュニケーションに必要な3つの心理学的要素
効果的なコミュニケーションを行うためには、以下の3つの要素が重要です。
- 「相手中心」の視点を持つ(ペルソナ思考)
- 論理的に伝える(PREP法)
- 非言語コミュニケーションを活用する(メラビアンの法則)
これらの要素を意識することで、コミュニケーションの質を大幅に向上させることができます。
1. 「相手中心」の視点を持つ(ペルソナ思考)
コミュニケーションにおいて最も大切なのは、「自分が伝えたいこと」ではなく、「相手が知りたいこと」を意識することです。心理学では、この考え方を**「ペルソナ思考」**と呼びます。
ビジネスの場では、相手がどのような立場で、どのような情報を必要としているのかを考えながら伝えることが重要です。例えば、上司と話す場合と、同僚と話す場合では、求められる情報のレベルや表現の仕方が異なります。
実践ポイント:相手に合わせた伝え方を意識する
- 上司に報告する場合:結論を先に伝え、簡潔に説明する(後述するPREP法を活用)
- クライアントと話す場合:相手の課題やニーズを先に理解し、共感を示した上で提案する
- 同僚と話す場合:協力を得るために、互いの意見を交換しながら進める
相手の視点に立つことで、無駄な説明を省き、的確な情報提供ができるようになります。
2. 論理的に伝える(PREP法)
ビジネスでは、論理的な伝え方が求められます。話が冗長になることを防ぐために、**「PREP法」**を活用すると効果的です。
PREP法とは、以下の4つの要素で構成されるフレームワークです。
- Point(結論):最初に結論を述べる
- Reason(理由):結論の根拠を説明する
- Example(具体例):具体的な事例を示して説得力を高める
- Point(結論の再確認):最後に再度結論を強調する
例:上司に報告する場合
✕ 「昨日の会議でプロジェクトの進捗について話しましたが、課題がいくつか出てきました。そのうちの一つがリソース不足で……」(話が長い)
〇 「プロジェクトの進捗について、リソース不足が大きな課題になっています。(Point) その理由は、新規案件が急増し、現メンバーでは対応しきれないためです。(Reason) 例えば、今週だけで5件の新規案件が追加され、対応工数が30%増加しています。(Example) したがって、追加リソースの確保が必要です。(Point)」(簡潔でわかりやすい)
このように、結論→理由→具体例→結論の順番で話すことで、相手に伝わりやすくなります。
3. 非言語コミュニケーションを活用する(メラビアンの法則)
言葉の内容以上に、表情や声のトーン、身振り手振りがコミュニケーションに与える影響は大きいとされています。これを示すのが、心理学者アルバート・メラビアンの研究による**「メラビアンの法則」**です。
この法則では、相手が受け取る情報の割合は以下の通りとされています。
- 言語情報(言葉そのもの):7%
- 聴覚情報(声のトーンや話し方):38%
- 視覚情報(表情やジェスチャー):55%
つまり、「何を話すか」以上に、「どう話すか」が重要になるのです。
実践ポイント:好印象を与える非言語コミュニケーション
- 笑顔を意識する:緊張していても、意識的に笑顔を作ることで、相手に安心感を与える。
- アイコンタクトを取る:話している相手の目を見ることで、信頼感が生まれる。
- 声のトーンを調整する:明るく、はっきりとした口調で話すと、伝わりやすくなる。
言葉だけでなく、表情や姿勢にも気を配ることで、相手に良い印象を与え、信頼関係を築きやすくなります。
まとめ:ビジネスコミュニケーションの基本を押さえよう
新人に求められるビジネスコミュニケーションの基本をまとめると、以下の3つが重要です。
- 「相手中心」の視点を持ち、適切な伝え方を選ぶ
- 論理的に伝えるために、PREP法を活用する
- 非言語コミュニケーションを意識し、好印象を与える
これらのポイントを実践することで、新人でも「伝わるコミュニケーション」ができるようになります。
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