はじめに
「チームの生産性を向上させたい」 「社員のモチベーションを高める組織づくりをしたい」 「個々の能力を最大限に引き出すにはどうすればいいか」
管理職やリーダーとして、こうした課題に直面することは多いでしょう。
組織が持続的に成長するためには、単に個々のスキルを高めるだけでなく、「チームとしての心理的な要素」を意識することが重要です。
本記事では、「成長する組織」の共通点を、心理学的視点から解説し、実際に取り入れられる具体的な施策を紹介します。
●成長する組織に共通する3つの要素
心理学的に見て、成長する組織には以下の3つの共通点があります。
- 心理的安全性が高い(Googleの研究にも裏付けられた要素)
- 目標と役割が明確である(社会的アイデンティティ理論)
- 成長のフィードバック文化がある(自己効力感の向上)
これらをバランスよく組織に組み込むことで、メンバーの主体性が高まり、成長を促進することができます。
●1. 心理的安全性が高い組織は成長する
心理的安全性とは、「自分の意見を自由に言える」「ミスをしても責められない」といった安心感のある環境のことです。
Googleが実施した「プロジェクト・アリストテレス」の研究によると、高い成果を上げるチームの共通点は、心理的安全性の高さ でした。
心理的安全性が低い組織では、
- 「発言すると批判されそう」と感じる
- ミスを隠し、学習の機会が失われる
- 意見が出ないため、イノベーションが生まれにくい
これでは、組織の成長は望めません。
心理的安全性を高めるための施策
- 上司がまず「失敗談」を話し、安心感を作る
- 否定しないフィードバックを意識する(例:「それも一つの視点ですね」)
- 「意見を言わないといけない場」を意図的に作る(例:アイデアブレストの実施)
こうした取り組みにより、メンバーが安心して意見を言える環境を作ることができます。
●2. 目標と役割が明確な組織は成長する
社会心理学の「社会的アイデンティティ理論」によると、人は自分の役割が明確な環境では、より主体的に動くことができます。
成長する組織では、
- チームとしての共通目標が明確(組織のビジョン・ミッションが浸透している)
- 個々の役割がクリア(誰が何を担当するのか、期待される成果が明確)
- 貢献が見える化されている(努力が評価され、フィードバックがある)
逆に、目標や役割が不明確な組織では、
- 「自分の仕事が何のためになるのかわからない」
- 「期待される基準がわからず、不安になる」
- 「他のメンバーとの関係性が曖昧になる」
結果として、メンバーのモチベーションが低下しやすくなります。
目標と役割を明確にするための施策
- 定期的に組織のビジョン・目標を共有する場を設ける
- 1on1ミーティングで「個人の目標」と「組織の目標」を結びつける
- KPT(Keep, Problem, Try)を使い、チームの進捗を振り返る
目標と役割を明確にすることで、組織の方向性が定まり、成長を促す環境が整います。
●3. フィードバック文化がある組織は成長する
心理学者バンデューラの「自己効力感(Self-Efficacy)」の理論によると、「自分は成長できる」という感覚が強いほど、挑戦意欲が高まります。
成長する組織では、
- 積極的なフィードバックが行われている
- フィードバックが「学び」につながる形で提供される
- 定期的な振り返りの機会がある
しかし、多くの組織ではフィードバックが十分に機能していません。
例えば、
- 「フィードバック=ダメ出し」と認識される
- 「褒める文化がなく、成長実感を得にくい」
- 「年1回の評価面談でしかフィードバックがない」
これでは、個々の成長が停滞してしまいます。
効果的なフィードバックの方法
- 「SBIモデル」を使う(Situation: 状況、Behavior: 行動、Impact: 影響) 例:「会議で○○の提案をしてくれたね(S)。その姿勢が良かったよ(B)。結果として、チームが前向きに動いたよ(I)」
- ポジティブフィードバックを増やす 例:「この部分、すごくよかったよ!」
- 「次にどうするか?」を話し合う フィードバックを終わらせるのではなく、「では次回はどう活かせる?」と未来につなげる
このような文化を根付かせることで、メンバーの成長を促進できます。
●成長する組織を作るために、今すぐできること
- 心理的安全性を高めるために、意見を言いやすい場を作る
- 目標と役割を明確にし、メンバーの自律性を促す
- ポジティブなフィードバックを増やし、成長実感を与える
組織の成長は、環境と文化によって大きく変わります。
●組織の成長を加速させるためにラポトークを活用しよう
組織の成長を促進するには、心理学的なアプローチを活用した適切なマネジメントが不可欠です。
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