1,はじめに

採用における「学歴」を重視するかどうかは、企業や業界によってさまざまな見解があります。いざ社会人で同じ会社に入ってしまえば、学歴とパフォーマンスは関係ないと感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、パフォーマンスに関係ないのであれば、なぜ企業には学歴フィルターがあったり、〇〇大学の人は入りやすい、など学歴を気にすることがあるのでしょうか。学歴が採用に与える影響について考察することで、どのような基準で候補者を評価すべきかを再考する機会を提供できます。ここでは、学歴を見ることで得られる利点と、その一方で抱えるリスクや課題を明らかにしていきます。

,学歴を見ることの良い点

学歴は入社後のパフォーマンスにはほぼ影響がありませんが、学歴を見ることで企業側の安心材料になることは確かです。簡単に3つ、企業が学歴を見て分かることを挙げます。

2-1 .知識の基礎があることの証明

特に専門的な知識を要する職種では、学歴はその候補者が必要な知識の基礎を持っている証拠となります。理系の職種や医療、法律などの分野では、特定の学位や資格が必須であり、教育課程を修了していることは信頼性の証です。

2-2.能力の一貫性を示す指標

学歴は、一定の期間にわたって継続して努力し、学業を完了できたという能力を示します。大学や専門学校を卒業することは、単なる学力の証明にとどまらず、プロジェクトを計画し遂行する能力や自己管理能力を示唆するものです。

2-3.企業の信頼性とブランド強化

名門大学出身者や優れた教育背景を持つ候補者を採用することで、企業の外部イメージや信頼性を向上させることができる場合もあります。例えば、トップビジネススクールの卒業生が多数いる企業は、優れた経営陣を擁しているとの評価を得やすくなります。

3,学歴だけで採用することのリスク

上記で学歴を見ることの良い点を挙げましたが、ここで重要なことは、学歴はあくまで学問のレベルはビジネスのレベルではありません。学歴=優秀な社員と勘違いをする採用担当者も多いです。ここで学歴だけを重要視して採用した場合のデメリットと解決策を考えます。

3-1. 実践的スキルの欠如

学歴は、ある程度の知識や基礎的な学問理解を示すものですが、必ずしも実務に直結するスキルを保証するものではありません。特に、急速に変化する現代のビジネス環境では、柔軟な問題解決能力やコミュニケーションスキル、チームワークが重要視される傾向があります。学歴だけを基準にした場合、こうした実践的スキルを持たない人材を採用してしまうリスクがあります。

3-2.高学歴に対する過剰な期待

高学歴の候補者は、しばしば企業から高い期待を寄せられがちです。しかし、学歴だけで評価された結果、その期待に応えられなかった場合、企業内での信頼を損ねたり、候補者自身のモチベーションが低下することがあります。これは、候補者と企業の双方にとってマイナスの結果をもたらします。

3-3. 学校のブランドに過度に依存

名門大学やトップ校の出身者を優遇する風潮は、企業がその学校のブランドに依存していることを示す場合があります。しかし、学校のブランドと候補者個人の能力は必ずしも一致しません。大学の看板だけに頼る採用は、誤った判断につながり、企業にとって適材適所の配置ができない原因となることがあります。

4,解決策

学歴だけで採用するリスクに対して、以下のような防止策を考えることができます。

4-1. 実践的スキルの欠如への防止策:
スキルベースの採用プロセスを導入

学歴だけでなく、候補者の実際のスキルを評価するために、採用プロセスにスキルベースのテストやシミュレーションを組み込みましょう。例えば、技術職であればコーディングテストやプロジェクト提出を課す、ビジネス職であればケーススタディを実施し、候補者の実務能力を直接確認することが有効です。また、過去のプロジェクトや仕事の実績を重視することで、候補者がどのような形で実際に成果を上げてきたかを評価します。

4-2. 高学歴に対する過剰な期待への防止策:
現実的な期待値設定とオンボーディングプロセス

採用時に高学歴の候補者に対して過剰な期待を抱かないように、現実的な期待値を明確に設定しましょう。面接の段階で候補者に役割や業務内容、目標を具体的に伝え、過度なプレッシャーを与えないようにすることが重要です。さらに、採用後のオンボーディングプロセスにおいて、候補者のスキルやパフォーマンスに基づいてフィードバックを行い、適切なサポートを提供することで、早期の離職やモチベーション低下を防止します。

4-3. 学校のブランドに過度に依存することへの防止策:
多様な採用基準の導入

学校のブランドに依存しすぎないために、候補者の評価基準を学歴以外の要素にも広げることが重要です。具体的には、候補者のパーソナリティ、職務適性、文化的フィット感、学び続ける意欲、過去の経験に焦点を当てた総合的な評価を行うことで、偏りのない判断が可能になります。また、多様なバックグラウンドを持つ候補者を積極的に採用するため、学歴以外の業績やリーダーシップ経験なども評価項目に加えましょう。

5,結論

学歴は採用において有効な指標の一つであり、特定の職種や業界では特に重要です。しかし、企業が求める人材像を定義する際には、学歴だけに頼るのではなく、実際のスキル、経験、問題解決能力、文化的なフィット感など、幅広い要素を考慮することが重要です。これにより、多様でポテンシャルの高い人材を見つけ、企業の成功につなげることができるでしょう。学歴はあくまで「参考情報」として利用し、最終的な判断は多面的な視点に基づいて行うことが、現代の採用活動における鍵となるのです。
そして、入社した場合は、スタートラインはほぼ同じです。差が出るのであれば、学生時代にどれほどの社会人経験を積んだことがあるかかと思います。入社後は学歴にとらわれず、水平的に評価を行いましょう。

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