はじめに
いつも通り生活しているのに、
・嬉しくない
・楽しくない
・達成感が湧かない
・満たされない
そんな日が突然やってくることがあります。
これはあなたに問題があるわけではなく、心理学では
「情動飢餓(Emotional Hunger)」
と呼ばれる状態が原因になっている場合があります。
■ 情動飢餓とは?
情動飢餓とは、
「心のエネルギー補給が追いつかず、情緒的な満足感が枯渇している状態」
を指します。
ポイントは、
👉 物理的な疲労ではなく“心の栄養不足”
という点。
どれだけ休んでも、
どれだけ頑張っても、
どれだけ成果を出しても、
「心が満たされない」のは、情動のタンクが空になっているサインです。
■ 情動飢餓が起きる3つの心理的原因
① 感情の“抑圧”が続いている
・本音を押し込める
・我慢する
・「大丈夫」と言い聞かせる
・弱音を吐かない
これらが続くと、心の中に「未処理の感情」が溜まり続けます。
処理されなかった感情は、いつかエネルギーを奪い、
喜び・満足・充実感の感度を鈍らせるのです。
② 承認・共感不足による“自己価値感の低下”
人は本来、
・誰かに分かってほしい
・認められたい
・つながっていたい
という“情緒的欲求”を持っています。
これが満たされないと、脳は
「何かが足りない」というアラート
を出し続けます。
その結果、何をしても満たされない感覚につながります。
③ 過剰適応による“心の枯渇”
・期待に応え続ける
・求められた役割を演じ続ける
・いい人として振る舞い続ける
・成果を出し続ける
こうした「他者基準の行動」が積み重なると、
心のリソースを大量に消耗します。
人から見ると「充実してそう」なのに、
本人は満たされない──
これは典型的な情動飢餓の症状です。
■ 情動飢餓が起きている人の特徴
✔ 何となく虚しい
✔ 物欲・食欲・SNS欲求が増える
✔ 刺激が欲しくなる
✔ 達成してもすぐ空虚感
✔ 喜びを感じづらい
✔ “理由のない疲れ”がある
✔ ぼんやりとした不安
これらが複数該当する場合、心が「栄養不足」になっている合図です。
■ どうすれば満たされる? 情動飢餓の回復ステップ
① 本音を“言語化”して外に出す
情動飢餓の根本は「抑圧された感情」。
書く・話す・声に出す。
どれでもいいので、気持ちを外に出すと心の負荷が下がります。
おすすめ:
・モヤモヤを書き出す
・今日の気分を一言メモ
・本音を誰かに話す
感情を「中に留めない」ことが大切。
② “情緒的なつながり”を意識して補給する
満たされなさは、
つながりの欠如が原因であることも多い。
・誰かに話を聞いてもらう
・共感してもらう
・一緒に笑う
・安心できる人と過ごす
これだけで脳は一気に安全モードに切り替わり、情動のタンクが回復します。
③ 自分の“喜びの源泉”を再確認する
情動飢餓のときは、
本来の自分の欲求が見えなくなっています。
・何に満足を感じる?
・どんな瞬間が心地いい?
・どんな行動がエネルギーをくれる?
これを見つけ直すと、「満たされる感覚」が戻ってきます。
④ 刺激より“回復”を優先する日をつくる
満たされないとき、脳は刺激を求めます。
・買い物
・SNSスクロール
・食べすぎ
・仕事の詰め込み
しかし、必要なのは逆で、
過剰刺激を遮断して「情動の回復」を優先すること。
・散歩
・深呼吸
・昼寝
・デジタルデトックス
・マッサージ
心のタンクにも「静かな補給時間」が必要です。
■ まとめ:満たされなさは“異常”ではなく“サイン”
何をしても満たされない日は、
あなたが弱っているのではなく、
心が「もう少し大切にしてほしい」とSOSを出しているだけです。
情動飢餓は、
適切な回復さえ入れれば確実に改善します。

