■ なぜ「考えるほど動けなくなる」のか──その正体は“感情オーバーロード”
「もっと考えれば正解が見えるはず」
「慎重になることは良いこと」
そう思うほど、足が止まってしまう。
実はこれ、脳の論理ではなく“感情”の問題です。
EQ(感情知性)の研究では、
- 不安
- 失敗への恐れ
- 周囲からの評価
- 自信の揺らぎ
これらが積み重なると 思考が“詰まる” ことが分かっています。
つまり――
あなたの行動を止めているのは「考えすぎ」ではなく、
処理しきれない感情が渋滞を起こしている状態なのです。
■ EQで見る「行動できない人」の3つのパターン
① 不安型:未来を最悪シナリオで想定する
- 失敗のイメージが先に立つ
- 安全策ばかり考えて決めきれない
脳は不安を“優先的に処理”するため、冷静な判断ができなくなります。
② 完璧主義型:正しい答えを探しすぎる
- ミスを恐れる
- もっと調べれば不安が消えると思う
これは典型的な「最適解探索の罠」。答えがない問題には永遠に決められません。
③ 感情麻痺型:何をしたいのか分からなくなる
- 感情が疲れ切っている
- 意思が湧かず、行動するエネルギーが出ない
“判断したい気持ち”そのものが枯れている状態です。
■ EQ視点の結論:決断とは、「感情の片付け」である
多くの人は“思考の整理”をすれば決断できると考えますが、
EQの観点では真逆で、
決断力=感情の整理力
行動力=感情のハンドリング力
です。
感情が整うと、自然と行動できるようになります。
■ 動ける人がやっている“EQ的・決断の順番”
行動できる人ほど、次の順番で物事を決めています。
① 感情を認識する(今、不安?疲労?自信の低下?)
まず「思考」ではなく「今の感情」を把握する。
② 感情の強度を下げる(深呼吸・短い休憩・話す)
脳の情動系の暴走を一度止める。
③ 条件ではなく“方向性”を決める
「どれが正解?」ではなく「自分はどこに向かいたい?」を軸にする。
④ 最小の一歩を決める(1センチでOK)
一気に動こうとするから止まる。
“1センチの行動”が心理抵抗をゼロにします。
■ すぐ使えるEQワーク:迷ったときは「3つの質問」で感情を整える
以下の質問を、紙やスマホにメモするだけで効果抜群です。
Q1:私は何を恐れている?(具体的に)
例:失敗、損失、人の目、時間の無駄、批判…
Q2:もし5%だけ勇気を出すなら、何をする?
行動の“ハードル”を一気に下げる。
Q3:未来の私は、この選択をどう評価する?
視点を変えると、思考の迷路から抜け出せる。
■ 「深く考えるほど動けない人」が明日から変わるための処方箋
- まず“感情”を整理する
- 不安と完璧主義を切り分ける
- 等身大の「1センチ行動」にする
- ゴールではなく“方向性”から考える
行動できない自分を責める必要はありません。
あなたの中の“感情エンジン”がオーバーヒートしていただけです。
EQを使って整えれば、
決断はもっと軽やかになり、迷いは自然と小さくなります。

