はじめに

イライラする上司、プレッシャーのかかる仕事、思い通りにいかない人間関係。
それでも「この人、いつも落ち着いてるな」「何があっても動じないな」と感じる人がいます。

彼らは生まれつき心が強いわけではありません。
実は、感情の扱い方──つまりEQ(Emotional Intelligence:感情知能)が高いのです。

本記事では、「感情に強い人」が実践しているEQの5つの習慣を解説します。
感情をコントロールするのではなく、上手に“使いこなす”ことで、どんな状況でも冷静に行動できるようになります。


1. 自分の感情を“実況中継”している

EQが高い人は、感情に飲み込まれる前に「自分の今の状態」を客観視します。
たとえば──

  • 「今、私は焦っているな」
  • 「少しイライラしている」
  • 「これは不安からきている感情だ」

このように“ラベリング”するだけで、脳は冷静さを取り戻します。
これはEQの第一スキルである自己認識(Self-Awareness)

感情を「感じるもの」から「観察するもの」に変えるだけで、感情に流されにくくなります。


2. 感情を「抑える」ではなく「整える」

感情に強い人は、怒りや不安を「抑え込む」のではなく、「整える」ことを意識しています。

たとえば、イラッとしたときに──

  • 深呼吸して“間”をつくる
  • 一晩寝かせてから返答する
  • 感情をノートに書き出して整理する

これらはすべて自己調整(Self-Regulation)のスキルです。
感情を無理に消そうとすると逆効果になります。
一度受け止め、時間や距離を置いてから行動することが「感情の整え方」です。


3. 他人の感情を“自分のもの”にしない

EQが高い人は、他人の感情と自分の感情をきちんと切り分けています。

たとえば上司が不機嫌でも、
「自分が悪いのかも」と過剰に反応せず、
「上司の感情は上司のもの」と冷静に線を引く。

これは感情の境界線(Emotional Boundary)を保つ意識です。
共感力が高い人ほど、他人の感情に巻き込まれやすいですが、EQが高い人は「共感」と「同化」を区別しています。

相手を理解しつつも、自分の感情は自分で守る。
これが、感情に強い人の“ブレない心”を支えています。


4. 感情を“エネルギー”として使う

怒り・焦り・悲しみといった感情は、悪者ではありません。
EQが高い人は、これらを「行動エネルギー」に変えます。

  • 怒り → 「大切な価値観が踏みにじられた」と気づくサイン
  • 焦り → 「本気で取り組みたい」と思っている証拠
  • 不安 → 「備えよう」とする自然な反応

感情を敵にせず、味方にする。
これはEQの中でも最も成熟したスキルの一つです。
感情のメッセージを正しく読み解ける人は、行動の方向を間違えません。


5. 自分を“内側から励ます”言葉を持っている

感情に強い人は、他人の評価よりも「自分の内なる声」を大切にしています。

  • 「大丈夫、今の自分にできることをやろう」
  • 「焦っても仕方ない、一歩ずつ進もう」
  • 「誰かと比べなくていい」

これはEQのスキルでいう自己動機づけ(Self-Motivation)
外的なご褒美や承認ではなく、内側からモチベーションを引き出す力です。

日常的に“セルフトーク”を意識している人ほど、困難な状況でも折れません。


まとめ:感情に強い人は「感情を拒まない人」

感情に強い人とは、怒りや不安を感じない人ではありません。
むしろ、どんな感情も受け入れ、理解し、選び取る力がある人です。

EQを磨くとは、自分を否定するのではなく、自分の感情と仲良くなること。
感情はあなたを動かすナビゲーションです。
その声を正しく聴けるようになったとき、あなたは他人にも優しく、そして自分にも誠実でいられるでしょう。

他人に振り回されない心をつくる──EQで“感情の境界線”を引く方法

人の言動にイライラしたり、落ち込んだりしていませんか?本記事では、EQ(感情知能)を活用して“他人に振り回されない心”をつくる方法を解説します。感情の境界線を引く…

Actors合同会社のプレスリリース(2025年4月9日 09時01分)気軽に"話す"。悩み"手放す"。個人・企業向けオンラインカウンセリングサービス「Hanasu …

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です