「配属ガチャ」の時代は終わった
「やりたい仕事ができそうだったのに、配属されたのはまったく別の部署だった」
「人事や広報の雰囲気に惹かれて入社したのに、現場の空気感が全然違った」
こうした“ギャップ”によって、入社後に早期離職へとつながってしまう若手社員は少なくありません。
かつては「配属は会社都合」「まず3年は辛抱」とされていた時代もありましたが、いまやZ世代を中心に、会社選びの軸は“配属”ではなく“カルチャーの一貫性”に移っています。
部署ごとの違いではなく、会社全体の“空気感”が問われている
学生や若手求職者が企業を見極めるうえで、注目しているのは“会社の顔”ではなく“会社の一貫性”です。
たとえば、
- 採用で会った人事の人は親身でフランクだったけど、他部署は上下関係が厳しくて発言しづらい
- 社長のビジョンに共感して入社したのに、現場ではまったく共有されていない
- 働きやすさをアピールしていたのに、配属先では長時間労働や詰め文化が常態化していた
こうした“部署間の文化ギャップ”が、早期の違和感や離職につながっていくのです。
採用は「カルチャーとの出会い」である
Z世代は企業を選ぶとき、仕事内容や待遇だけでなく、「その会社で自分らしくいられるかどうか」を重視します。
- 社員同士の距離感やコミュニケーションのスタイル
- 意見を言いやすいか、失敗が許容されるか
- 上司が部下にどう向き合うか
- 社員が“どんな言葉”を使っているか
つまり、「この会社は、自分に合うか?」という直感的なフィット感が、最終的な意思決定を左右しているのです。
これは、部署単体の印象ではなく、会社全体として「どんな文化が流れているか」で判断されます。
採用担当だけが“いい顔”をしていても意味がない
多くの企業では、採用部門が一生懸命に学生と向き合い、「熱意ある採用広報」や「ていねいな選考対応」を実施しています。
しかし、その後に接する配属部署でカルチャーギャップが発生すると、それまでの努力が台無しになってしまいます。
たとえば:
- 「人を大事にする会社です」と謳っていたのに、現場では成果主義一辺倒
- 「挑戦できる環境」と言われたのに、若手の提案が封じられる
- 「社員を信頼して任せる」と言われたが、実際には細かく管理される
こうした“ことばと実態のズレ”が、企業への信頼を損ね、離職やエンゲージメント低下につながるのです。
採用は、会社全体でつくる時代へ
これからの採用活動において重要なのは、採用部門・現場・経営層が同じ価値観を共有し、「会社全体でカルチャーを体現すること」です。
以下のようなアプローチが求められます。
1. 現場社員を巻き込んだ採用プロセス
- 会社説明会やインターンに現場社員が登壇
- 若手社員とのカジュアル座談会や1on1トークを実施
- 部署間の文化の違いもオープンに伝える
学生が「この人たちと働くかもしれない」というイメージを持てるよう、リアルな接点づくりを意識しましょう。
2. 部署ごとの“空気感”を見える化する
- 各チームや職種ごとの「働き方」「人間関係」「挑戦機会」を発信
- ルールではなく“ノリ”が伝わるインタビューや動画コンテンツ
- 「配属先によって文化が違う」ことを事前に透明化し、本人の志向に応じた配属支援を行う
Z世代は、“知らされていなかったこと”に敏感です。
ギャップをなくすためには、むしろ“違い”を最初から伝える姿勢が信頼を生みます。
3. 経営と現場が「文化の共通言語」を持つ
採用において「共感」「挑戦」「自律」といったキーワードが使われることは多いですが、
それが現場のマネジメントや制度運用にまで浸透しているか?が問われています。
- 共感:上司が部下の想いを聞く文化があるか?
- 挑戦:失敗がキャリアの加点になる風土があるか?
- 自律:指示待ちではなく、自ら動ける設計があるか?
経営・人事・現場が「うちの会社の文化って、これだよね」と語れる状態が、カルチャーフィット採用の土台になります。
カルチャーは“伝えるもの”ではなく、“にじみ出るもの”
学生や求職者は、採用サイトや説明会の文章を「正しい情報」としてだけでなく、“空気感”として受け取っています。
つまり、「なんとなくこの会社、しっくりくる」「なんか、息苦しそう」といった直感は、企業側が意図していないところで生まれているのです。
だからこそ、トップメッセージから現場のふるまいまで、一貫して“にじみ出る文化”を整えることが、採用成功の鍵になります。
DRAMATIC CAREERSは、企業カルチャーを“採用力”に変える支援をしています
- カルチャーの可視化・言語化ワークショップ
- 採用プロセス全体のカルチャーフィット再設計
- 部署ごとの文化・風土を見える化する採用広報支援
- 若手とのズレを防ぐリアル接点設計とインタビュー運用
採用は、部署単体で完結できるものではありません。
企業全体の文化が、一人ひとりの“入社後の納得感”をつくる時代です。
▶ 詳しくはこちら:https://dramatic.careers/