はじめに

タスクに追われ、時間に追われ、周囲の期待に応え続けて、気づけばいつも心がいっぱい。
朝目覚めた瞬間から頭の中では今日のスケジュールが高速で再生され、夜にはくたくたになって眠りにつく。
そんな“埋め尽くされた毎日”を送っている人は多いのではないでしょうか。

「時間がない」「気が休まらない」「気づけば常に緊張している」
──これらはすべて、“心の余白”がなくなっているサインです。

本記事では、日々忙しく働くビジネスパーソンに向けて、心理学とカウンセリングの知見をベースに、心の余白を取り戻すための「セルフメンタルケアの習慣」を紹介します。
自分の心に少しでもやさしくなれるヒントになれば幸いです。

心の余白がないとき、人はどうなるか

まず、「心の余白」とは何でしょうか。

それは、たとえばこんな感覚です。

  • ふと空を見上げる余裕がある
  • 自分の感情を感じ取れる余白がある
  • 誰かの小さな変化に気づける余白がある
  • 「何もしない時間」を許せる余白がある

この“余白”がなくなると、心は常にフル稼働状態になります。
結果として起こるのは、以下のような現象です。

  • イライラしやすくなる
  • 判断力や集中力が下がる
  • 物事をネガティブに捉えやすくなる
  • 他人の言動に敏感になり、必要以上に落ち込む
  • 自分の感情に鈍感になり、疲れに気づけなくなる

これはいわば、心の「バッファ」や「緩衝材」がなくなっている状態
わずかなストレスや刺激でも心が反応しすぎてしまうため、知らず知らずのうちに消耗してしまうのです。

なぜビジネスパーソンは余白を失いやすいのか

現代のビジネスパーソンは、かつてないほど多くの情報・業務・人間関係を同時に処理しています。
特にリモートワークやチャット文化の普及により、「仕事とプライベートの境界」が曖昧になった人も多いでしょう。

また、「成果を出さなければ」「期待に応えなければ」といった**“他者からの視線”を意識しすぎる状態**が続くと、自分の感情や状態に鈍感になります。
心理学ではこのような状態を「自己無視的(self-neglect)」と呼び、燃え尽きやメンタル不調のリスクが高まるとされています。

余白を失いやすい現代だからこそ、意識的に“心の休み場”を作ることが必要です。

セルフメンタルケアの習慣①:感情をモニタリングする時間をつくる

忙しさに追われていると、私たちは自分の“感情”を無視しがちです。
でも感情は、溜め込むほど複雑になり、ある日突然あふれ出します。

そこでおすすめなのが、1日5分の感情モニタリングの時間を持つこと。

やり方はシンプルです。

  • 今日あった出来事を思い出す
  • そのとき自分はどんな感情を感じていたか振り返る
  • 言葉にして書き出してみる(例:「イライラ」「不安」「安心した」など)

これを続けることで、感情に気づく感度が上がり、日々のモヤモヤが蓄積しにくくなります。

ポイントは、「良い・悪い」で判断しないこと。
すべての感情に「感じていいよ」と許可を出すことが、セルフケアの第一歩です。

セルフメンタルケアの習慣②:“何もしない時間”を意識して作る

常にタスクに追われていると、**「何かしていないと不安」**という感覚が染みついてしまいます。
しかし、人間の脳は“何もしない時間”にこそ、創造性や内省が深まることが分かっています。

心理学では、ぼーっとしているときに働く「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という脳の機能があり、これが感情の処理や自己理解に深く関与しているとされています。

つまり、“何もしない時間”は心の整理整頓の時間でもあるのです。

おすすめは、

  • 電車でスマホを開かずに外を見る
  • 入浴中は音楽も情報も入れず、ただお湯に浸かる
  • 寝る前の10分間、照明を落として目を閉じる

こうした小さな“情報を入れない時間”が、心に余白をつくる下地になります。

セルフメンタルケアの習慣③:誰かと“感情”を共有する

セルフケアとはいえ、「一人で抱えないこと」もとても大切です。
特に、感情を言葉にして誰かに伝えることは、心を整えるうえで大きな力になります。

心理学者カール・ロジャーズが提唱した「傾聴(active listening)」の概念では、人は「共感的に話を聞いてもらえる」だけで、自己理解と安心感が深まり、回復力が高まることが知られています。

  • 同僚との雑談で「最近、ちょっと疲れ気味なんだ」と打ち明けてみる
  • 信頼できる人に「なんとなくモヤモヤする」と伝えてみる
  • 家族やパートナーに「今日の気持ち」を話す時間を持つ

これらはすべて、セルフケアの一部です。
「話すこと」は、決して特別なことではなく、自分の状態を整えるごく自然な営みなのです。

心の余白は、“自分に戻る力”をくれる

忙しさやストレスに飲まれると、私たちは「自分自身である感覚」を失っていきます。
でも、心の余白があると、自分の感情に気づけたり、大切にしたいことを思い出せたり、視野が広がったりします。

心の余白は、**“自分に戻る力”**でもあります。

仕事も、人生も、スピードばかりが求められる時代だからこそ、
一呼吸おいて、「今の自分はどう感じているか?」と立ち止まる習慣を持ってみませんか。

最後に──Hanasuという“話せる場所”

「最近、心に余白がないかも」
そんなふうに感じたとき、ぜひ思い出してほしいのが、誰かと“話す”という選択肢です。

オンラインカウンセリングサービス「Hanasu(ハナス)」は、
「悩みを一人で抱え込まない世界をつくる」
をコンセプトに、誰もが安心して心を整えられる場を提供しています。

Google Meetを使ったビデオ通話形式で、匿名での利用も可能。
1回ごとのスポット利用(6,500円〜)や、月額プランも用意されており、初めての方でも気軽に利用できます。

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