はじめに
「休んだほうがいいのは分かっているけど、なんだか休めない」
「休むと罪悪感が湧く」
「体は動かなくなってきているのに、気持ちだけが焦っている」
現代を生きる私たちは、“休むこと”すら難しくなっているのかもしれません。
仕事や家事、人間関係、情報の洪水の中で、ふと気づけば「疲れている」ことすら感知できなくなっている。そんな声をよく聞きます。
この記事では、なぜ“休めない”のかという心理の背景を掘り下げつつ、心理学やカウンセリングの知見をもとに、「休む力」を鍛えるためのヒントをお伝えします。
「頑張ることが当たり前」になっているあなたの、心のブレーキになれたら幸いです。
そもそも「休む」とは、どういうことか?
まず、少し立ち止まって考えてみましょう。
「あなたにとって、休むとはどういう状態ですか?」
・何もしない時間?
・旅行や趣味を楽しむこと?
・仕事を忘れてボーっとすること?
・誰とも話さずひとりで過ごすこと?
実は「休む」という行為は、人によってまったく意味合いが違います。
そして、真に“心と体が回復する休み”には個人差があるのです。
重要なのは、“何をしているか”よりも“どう感じているか”。
あなたが「心から緩んでいる」と感じる状態こそが、あなたにとっての“休み”なのです。
なぜ「休むこと」に罪悪感を抱くのか?
「休まないといけない」と分かっていても、なぜ私たちは自分を止められないのでしょうか。
そこには、いくつかの心理的要因が隠れています。
① 成果主義・自己効力感への依存
仕事で成果を出すことや、常に動き続けていることに「自分の価値」を感じていると、休むこと=“役に立っていない”と感じてしまいます。
心理学ではこれを「自己効力感(self-efficacy)」の偏りと呼び、自分の価値を“何ができるか”にのみ結びつけてしまう傾向を指します。
② 休むことへの無力感
「どう休めばいいのか分からない」
「休んでも疲れが取れない」
そんな感覚を持っていると、休むこと自体が不安になり、「ならいっそ働いていた方が気が紛れる」となってしまいます。
③ 周囲への“見えない期待”
「今休んだら、誰かに迷惑がかかる」
「周囲が頑張っているのに、自分だけ休むのは申し訳ない」
これは、**“役割意識”や“他者からの期待の投影”**からくる罪悪感です。
これらはいずれも、あなたが真面目で責任感が強い証拠です。
でも、それが限界を超えてしまうと、自分の回復を後回しにしてしまうのです。
“休む力”はトレーニングできる
「ちゃんと休めるようになる」ためには、精神的な“筋トレ”が必要です。
それは、ただダラダラすることではなく、意識的に“自分のために休む”という行動を選択する力を育てることです。
ここでは、心理学の観点から、今日から始められる3つのセルフケア習慣を紹介します。
1. 「休んでいる自分」を肯定する言葉を持つ
休もうとしたときに浮かぶ罪悪感の声に対して、意図的に“安心できる言葉”をかけてあげましょう。
たとえば、
- 「休むことは立ち止まることではなく、進むための準備だ」
- 「自分が整えば、まわりにももっと優しくなれる」
- 「疲れを感じられている自分は、感受性がちゃんと生きている証拠だ」
こうした**自己肯定的なリフレーミング(見方の転換)**が、罪悪感を少しずつ緩めてくれます。
2. 1日の終わりに「今日、自分をいたわった瞬間」を探す
毎日の中で「自分を大切にできた行動」を探す時間を持ってみてください。
- コーヒーをゆっくり飲んだ
- 一駅歩いて気分転換した
- 意識的に深呼吸をした
どんなに小さなことでもいいのです。
こうして、「自分のケアは後回しじゃない」と気づくことで、“休むことに価値がある”という実感が少しずつ育っていきます。
3. 「意図的に、何もしない時間」を1分でも確保する
最初から長い時間を休もうとすると、余計に不安になる人もいます。
そんなときは、まず**“1分間だけ、何もしない”**を意識してみてください。
スマホを見ず、仕事もせず、音も止めて、ただ呼吸に意識を向ける。
たった1分でも、心の回復スイッチは確実に入ります。
これを習慣化することで、少しずつ「休んでもいい自分」を脳が学習し始めます。
あなたが休んでも、世界は回る
これは、心理カウンセリングの現場でもよく話題になるフレーズです。
「自分が頑張らないと回らない」
「休んだら誰かが困る」
そう思っている方こそ、一度伝えたいのです。
あなたが休んでも、案外まわりは大丈夫です。
逆に、あなたが無理をし続けて壊れてしまったときの方が、よほど大きな影響が出てしまうのです。
だからこそ、少しでも心が「しんどいな」と言ってきたときには、その声に耳を傾けてあげてください。
休むことは、自己管理であり、愛ある選択です。
最後に──Hanasuという“話せる場所”
「どう休んだらいいか分からない」
「疲れているのに、気が張って止まらない」
そんな方にこそ、安心して“話せる場所”が必要です。
オンラインカウンセリングサービス「Hanasu(ハナス)」は、
「悩みを一人で抱え込まない世界をつくる」
をコンセプトに、資格を持つカウンセラーがあなたの心に寄り添います。
Google Meetによるビデオ通話で、匿名利用も可能。
1回ごとのスポット利用(6,500円〜)や月額プランもあり、はじめての方でも利用しやすい仕組みです。
「頑張っている自分」に、やさしい時間を。
“話すことで、こころが軽くなる”体験を、あなたもぜひ。
