1. 「思い込み」は“過去の自分”が作ったシステム
私たちは、意識していないだけで
「過去の経験」から無数の“思い込み”をつくっています。
例えば…
- 「失敗すると怒られる」 ⇒ だから挑戦できない
- 「嫌われたくない」 ⇒ だから意見が言えない
- 「迷惑をかけてはいけない」 ⇒ 頼み事ができない
これらは、当時の自分を守るために形成された“防御システム”。
しかし、大人になった私たちには 今の環境に合わない“旧バージョン”のOS になっていることが多いのです。
2. EQが解き明かす「なぜ思い込みは強力なのか?」
EQ(感情知性)では、思い込みは次のように形成されると説明します。
① 感情 × 記憶 がセットで保存される
強い不安・羞恥・怒りなどの感情が伴う経験は、脳が「重要!」と判断して深く記憶に刻まれます。
② 脳は“危険の回避”を優先する
同じ痛みを再び味わわないように、脳は過去経験を基準に判断します。
③ 無意識で発動するため、自覚が難しい
思い込みは「考えた結果」ではなく
“自動反応”として出てくるため、気づきにくいのです。
3. こんなサインが出ていたら“古い思い込みの影響下”です
- 新しい挑戦の前だけ異様に不安が強い
- 本音を言う前に「どう思われるか」で頭がいっぱい
- 断るべき場面で“理由のない罪悪感”が出る
- 誰よりも頑張っているのに満足できない
- 失敗すると“人格”を責めてしまう
これらはすべて、
過去の出来事が現在の行動を操作しているサインです。
4. 心を軽くする「アップデートの3ステップ」
ステップ① 思い込みを“メモ化”して見える化する
まずは、無意識を意識化することが不可欠。
以下の質問を紙に書きながら答えてください。
- 自分が避けてしまう行動は?
- その直前にどんな感情が出る?
- その感情は、いつの自分が初めて感じた?
- そのときの自分は、何を守ろうとしていた?
感情の根っこに“昔の自分”がいることに気づければ、すでに半分は解決です。
ステップ② 「その思い込みは、今の自分にも必要?」と問い直す
例えば…
- 子どもの頃:「迷惑をかけると怒られた」
→ 大人になった今も「頼ったら嫌われる」と思ってない? - 新人の頃:「ミスは許されない雰囲気だった」
→ 今の職場はそんな文化じゃないのに、まだ緊張していない?
思い込みは“当時は必要だったけれど、今はいらない仕様”のことが多い。
ステップ③ 思い込みを“再設定”する(EQワーク付き)
EQワーク:再解釈スクリプト
次の文章を自分に向けて読んでみてください。
「私は、過去の状況に合わせて行動していただけ。
今の環境では、もっと自由に選んでいい。」
さらに、以下のような新しいスクリプトを設定します。
- 「頼ることは迷惑ではない。信頼の一形態だ」
- 「挑戦して失敗することは学習の一部」
- 「私は“安全ではない場面”を正しく判断できる」
自分に効果のある言葉だけを残し、“新しいOS”としてインストールするイメージです。
5. アップデートが進むと何が変わる?
- 意見が言いやすくなる
- 頼れるようになり、人間関係が楽になる
- ミスの自己攻撃が減る
- 不安の根拠を冷静に判断できる
- “行動量”が自然と増える
つまり、
過去の自分ではなく、今の自分が人生を選べるようになるのです。
6. まとめ:過去の設定のまま生きる必要はない
過去の思い込みは、かつての自分を守るために必要だったもの。
でも、今のあなたは当時のあなたよりずっと強く、賢い。
だからこそ、
「今の自分に合う設定にアップデートする」
それがEQを使った心の成長です。
明日から軽く、自由に生きるために──
ぜひこの記事のワークを活用してみてください。

