プロジェクト管理の成功の鍵として多くのプロフェッショナルが用いるWBS(Work Breakdown Structure)の活用方法を、初心者から経験者までが実際に取り入れやすい形で解説します。これを活用すれば、効率的にプロジェクト管理ができるようになり、作業漏れや作業の遅れを可能な限り最小限にすることができます。是非明日から実践してみてください。
1. WBSとは?
WBSは、プロジェクトの目的を達成するための作業を、管理しやすいように階層的に分解したものです。この構造を利用することで、プロジェクトの全体像を一目で把握し、タスクの見落としや重複を防ぐことができます。
日本語では作業分解構成図や作業分解図とも呼ばれ、その言葉通り、作業 (Work) を分解 (Breakdown) して構造化 (Structure) していきます。作業を分解、構造化しキーとなる従属関係のアウトラインを作ることで、プロジェクト全体を視覚化することができます。WBS は、関連する作業を意識しながら管理できる点が特長と言えるでしょう。
WBS は、ビジネスにおけるプロジェクト管理、システム開発などの現場において活用されています。「WBS」では、大きな作業単位を、個人が担当できるレベルの小さな作業単位に分割したあと、進行順序を考慮したツリー構造を作成します。
良くコンサルタントやエンジニアでプロジェクト管理をするようになると頻繁に使う機会があるのですが、そうでない場合はあまり見慣れないかもしれません。便利なツールですので、積極的に使っていきましょう。
2. WBSの作成ステップ
ステップ1:プロジェクトの目的を定義する
- プロジェクトが達成すべき最終的なゴールを明文化します。
- 例)新商品の発売、新システムの導入など。
ステップ2:大まかなフェーズに分解する
- プロジェクトを達成するための大きなステップやフェーズを定義します。
- 例)企画 → 設計 → 開発 → テスト → リリース
ステップ3:具体的なタスクへの細分化
- それぞれのフェーズをさらに具体的なタスクや作業に細分化します。
- 例)「設計フェーズ」→ 「要件定義」「設計書の作成」「レビュー」など
ステップ4:タスク間の依存関係を特定
- タスク間の順序や依存関係を明確にし、フローチャートやアローダイアグラムで可視化します。
ステップ5:タスクごとの期間・リソースを見積もる
- 各タスクにかかる時間、必要なリソース、担当者を割り当てます。
- ツールやソフトウェア(例:Microsoft Project, Trello, Asanaなど)を活用して、WBSを電子的に管理することも可能です。
3. WBS活用時の注意点
タスクの明確化
- タスクは具体的かつ明確に記述します。曖昧な表現は避けましょう。
過度な細分化の回避
- タスクを過度に細かく分解すると、管理が複雑になる可能性があります。必要十分な粒度に留めるよう心がけましょう。
定期的な見直し
- プロジェクトの進行に伴い、WBSも更新が必要です。定期的に見直しを行い、現状に即した内容に保つことが大切です。
4. まとめ
WBSは、タスクの見落としを防ぎ、計画的にプロジェクトを進めるための強力なツールです。この記事のステップや注意点を参考にしながら、プロジェクト管理の質を向上させる手助けとしてWBSを活用しましょう。
お問い合わせフォームよりご連絡いただければ、WBSのフォーマットを提供できますので、是非気軽にご相談ください。