「最近の若手、何を考えているのかわからない」
マネージャーやリーダー層の多くが、若手社員との接し方に悩みを抱えています。
- 何を考えているのか読めない
- 自分から話しかけてこない
- 声をかけても反応が薄い
「だから、もっとこちらから声をかけよう」
「1on1を増やそう」「雑談を意識しよう」
そうした施策は間違ってはいません。
しかし、“声をかける前”にこそ見直すべき、マネジメント側の態度や姿勢があるのです。
この記事では、若手と良い関係性を築き、信頼に基づいたマネジメントを行うために、リーダー自身が先に整えておくべき5つの態度を解説します。
なぜ「声をかけても響かない」のか?
若手社員とのコミュニケーションで悩む多くの上司は、「声をかけること」自体を目的化してしまいがちです。
けれども、若手にとって重要なのは、“何を言ったか”ではなく、“どういうスタンスで接しているか”です。
つまり、言葉の前にある“空気”や“表情”、“関係性の前提”が伝わってしまっている。
だからこそ、声をかける前にマネジメントの態度を見直すことが、本当の意味での関係づくりの第一歩となるのです。
若手に“届く関わり”にするために見直すべき5つの態度
①「ちゃんと見ているよ」という姿勢があるか?
若手が最も望んでいるのは、「気にかけられること」ではなく、“自分の存在が見られている”という感覚です。
- 朝の挨拶の返しに表情があるか
- ちょっとした成果や工夫に気づいて声をかけているか
- 誰にでも同じような接し方をしていないか
「忙しいから後で見よう」では、信頼は貯まりません。
日々のちょっとした観察が、「この人はちゃんと見てくれている」という安心につながります。
②「自分は答えを持っていない」という前提を持っているか?
マネージャーになると、“アドバイスをする側”に立ってしまいがちです。
しかし、Z世代の若手は“正解”よりも“自分の気持ち”に価値を置きます。
だから、上司が「導こう」「教えよう」とする態度は、時に圧力として働いてしまいます。
- 「君はどう感じてる?」
- 「ちょっと一緒に考えてみたい」
というように、“上司も迷いながら一緒に考える姿勢”が信頼を育てる鍵です。
③ 自分の“強さ”ばかり見せようとしていないか?
「頼れる上司」でいようとするあまり、
弱音を見せず、悩みや失敗を語らない上司は、若手との間に“壁”をつくってしまいます。
今の若手が求めているのは、“完璧な上司”ではなく、“人間らしい上司”。
- 昔は自分も悩んだこと
- いまでも迷っていること
- 思うようにいかない場面
そういった“ありのまま”を共有することで、若手はようやく心の距離を縮めてきます。
④ 「聞いてあげる」ではなく「聴きにいく」姿勢があるか?
1on1の場でありがちなのが、上司が質問を並べる“インタビュースタイル”。
しかしそれでは、若手は“受け身の受け答え”に終始し、安心して本音を話すことができません。
- 沈黙を恐れず、待つ
- 話し終わったあとに「それってどういうこと?」ともう一歩深掘る
- 相手が話したことに、自分の感想や関心を返す
こうした“聴きにいく態度”こそが、対話の質を高めます。
⑤ 「正しさ」より「温度」を重視しているか?
ロジカルで的確な指摘ができることはマネージャーの強みです。
しかし、若手にとっては“正しいかどうか”以上に、“どう伝わったか”がすべてです。
- 同じ指摘でも、冷たく言われると距離ができる
- 正論でも、タイミングや表情で“拒絶”と受け取られる
大事なのは、「自分はどういう温度でこの言葉を伝えているか」を意識すること。
感情を押し殺すのではなく、思いやりのあるトーンで伝えることで、伝えたいことは届きやすくなります。
声をかける前に、「あなたの態度は届いているか?」
若手と信頼関係を築くには、「どんな言葉をかけるか」よりも、
「どんな態度で日々そこにいるか」が先に問われます。
- 日常的な表情、リアクション
- 小さなことに気づける観察力
- 話す前の“空気”をつくること
若手は、言葉よりも先にマネジメントの“雰囲気”を読み取っています。
だからこそ、「ちゃんと伝えているはず」ではなく、
「ちゃんと伝わっているか?」という視点で、自分自身を見直すことが大切です。
まとめ:「関わり方」ではなく「在り方」から変えていく
若手に届く言葉を投げかけるには、まず届く状態の自分であることが前提です。
それは「技術」ではなく、「態度」や「在り方」そのもの。
- 見てくれている
- 受け止めてくれそう
- 無理に導こうとしていない
こうした安心感があって初めて、若手は本音を話し、成長のエネルギーを発揮します。
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「伝え方」の前に、「伝わり方」を見直すことで、若手との関係性は確実に変わります。
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