「発言ゼロ」「質問ゼロ」「感想もゼロ」──若手が無反応になる瞬間

「新人研修、全然響いてない気がするんです」
「リアクションが薄くて手応えがない」
「フィードバックを求めても“特にありません”の一言だけ」

そんな声が、企業の人材育成担当者からよく聞かれるようになっています。特に近年のZ世代においては、「真面目に聞いてはいるが、まったく熱がこもっていない」と感じる場面が少なくありません。

一方で若手側に話を聞いてみると、こんな本音が返ってきます。

「どうせ聞いても配属されたら違うことやるし」
「正解がわかんないから発言してもしょうがない」
「これ、何のためにやってるんですか?」

これらは単なる“やる気のなさ”ではなく、研修設計そのものに対する“納得感のなさ”の表れです。
「伝えているのに伝わらない」状況を放置していては、せっかくの育成機会が“静かな徒労感”で終わってしまいます。

ではなぜ、研修の場で若手の熱量が失われるのでしょうか?
そして、どうすれば“学びの主体性”を引き出せるのでしょうか?


原因1:目的が伝わっていない

研修が“やらされ感”で終わる最大の要因は、「この研修が自分にどうつながるのか」が腹落ちしていないことです。

例えば、以下のような状態が当てはまります。

  • 研修テーマが配属業務と関係ない
  • ゴールが“理解”や“知識の習得”に留まっていて実感が湧かない
  • 「なぜこの順番で学ぶのか」のロジックが語られていない

結果として、若手の中では「これはテスト勉強みたいなもの」と認識され、“熱量”ではなく“処理”の対象になってしまいます。


解決のヒント①:冒頭の5分で「意味付け」を伝える

研修の最初に、「これはあなたにどう関係するのか」「何の役に立つのか」を講師や上司の言葉で明確に語ることが重要です。

例:

  • 「今日のテーマは、入社半年後に顧客と信頼関係を築ける人になるための準備です」
  • 「これができるようになると、来月から現場で○○が任されます」
  • 「過去にこれを習得した先輩が、どう成長したか」をストーリーで伝える

目的を“自分ごと化”できれば、受講態度は格段に変わります。


原因2:インタラクション(双方向性)の欠如

Z世代は“聞くだけの学び”には慣れていません。
彼らが育ってきた情報環境は、「検索→選択→試行→拡散」という参加型・体験型の構造です。

一方で企業の研修では、いまだに「座学×講義×一方向」の形式が主流です。

  • 発言する機会が少ない
  • グループワークが形骸化している
  • フィードバックが画一的または乏しい

このような場では、若手が“学びの受け手”にとどまってしまい、自分の意志や思考を持ち込めません。
結果として、熱量は上がらず、発言もゼロ。悪循環に陥ります。


解決のヒント②:「問い」から始まる設計に変える

例えば、以下のような「問い」からスタートしてみましょう。

  • 「あなたが“信頼できる上司”と感じたのは、どんな行動を見たときですか?」
  • 「この研修テーマが現場でどう役立つか、自分なりに考えてみてください」
  • 「過去のアルバイト経験と今日の内容、何か共通点はありますか?」

こうした問いを入口にすることで、受け身ではなく“自分の言葉”で研修に入っていける構造をつくることができます。


原因3:研修と実務が“地続き”になっていない

多くの若手がモチベーションを失うのは、「研修での学びが現場に直結していない」と感じたときです。

  • 配属後に研修内容が活かされる場面がない
  • 上司が研修での学びに触れてこない
  • 評価も現場での成果のみで、研修は“おまけ扱い”

こうなると、若手にとって研修は「一時的な通過点」になり、成長機会ではなく“儀式”として認識されてしまいます。


解決のヒント③:「現場とつなげる仕組み」をセットで設計する

  • 研修内容に基づいたOJTタスクを同時に設計する
  • 上司や先輩と研修内容を共有する“橋渡し面談”を設定する
  • 研修後に“現場で使ったレポート”を提出してもらう

こうした「現場との接続」を設けることで、若手は“やらされる学び”ではなく“使える学び”として研修を捉えるようになります。


まとめ:若手の熱量は“場づくり”で決まる

研修で熱量が生まれないのは、若手の問題ではありません。
それは多くの場合、研修の設計、伝え方、そして意味付けが足りていないことのサインです。

彼らは受け身ではなく、“納得できる理由”があれば主体的に動く世代です。
だからこそ、以下の3つを意識することが、熱量を引き出す第一歩になります。

  1. 目的の明確化と“意味の共有”
  2. 一方向から双方向への“設計転換”
  3. 研修と実務をつなぐ“導線設計”

DRAMATIC CAREERSでは、Z世代の学びを引き出す「伝わる研修設計」を支援しています。

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  • 研修→現場移行をなめらかにする「育成パス」の共創
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ただ教えるのではなく、響かせる育成へ。
熱量を“設計”で支えるために、私たちがお手伝いします。

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