“疲れてないのに疲れた”は、脳の誤作動だった
「体は元気なはずなのに、気分だけ異常にだるい」
「寝ても休んでも“回復した感覚”がない」
「いざ動こうとすると、急に重たくなる」
実はこれ、“本当の疲労”ではありません。
脳がエネルギーを正しく評価できず、
“疲れている”と誤認してしまう状態=エネルギーミスリード
が起きている可能性があります。
1. なぜ脳は誤って「疲れた」と判断するのか?
脳はとてつもなく“省エネ”な臓器です。
エネルギー消費が増えると、強制的にブレーキをかけてくる特徴があります。
① 情報の処理量が増えると、脳は“危険信号”を出す
・通知
・SNS
・マルチタスク
・思考の整理不足
・先延ばしにしたタスクの積み重なり
これらが続くと、脳は以下のように判断します。
「負荷が高いから、今は動かない方がいい」
結果、体は疲れていなくても「なんか無理…」と感じる。
② 「感情の処理」が追いつかないと、脳は疲労として扱う
怒り・不安・焦り・迷いなどが未処理のままになると、
脳は“危険信号として保存”します。
このとき起こるのが 情動負荷 → 疲労の誤解釈。
● 例
・対人ストレスが残っている
・やりたくない仕事を抱えている
・本音を飲み込む癖がある
・小さな不安を抱えたまま寝ている
これらはすべて 脳の作業領域(ワーキングメモリ)を圧迫し、
“疲れた”という感覚として表れます。
③ 「やらなきゃ」が積み重なると、脳は逃避モードに
タスクが多い/先延ばしが続く/やるべきことに追われる
↓
脳が「脅威」と判断
↓
逃避反応(やる気が出ない・体が重い)
これは “怠け”ではなく 脳の防御行動 です。
2. 本当の疲労ではない“ニセ疲労”が引き起こす問題
■ ① 集中力が急に落ちる
■ ② 本来必要のない休息を繰り返す
■ ③ 気持ちだけが疲れて、回復感が得られない
■ ④ 認知がネガティブに寄る
■ ⑤ 判断力が鈍り、仕事のパフォーマンスが下がる
つまり、エネルギーミスリードは放置すればするほど加速します。
3. “疲れてないのに疲れた”を解除する方法
以下は研究でも効果が示されている「脳の誤作動リセット法」です。
① 目の前の情報量を“急激に減らす”
脳が疲労を誤認する最大要因は
情報過多による処理負荷。
今日だけでいいので、次をやってみてください。
- スマホを別部屋に置く
- 通知をすべて切る
- タスクを紙1枚に1つだけ書く
- 1つ終えたら次の紙を出す(同時に見ない)
これだけで 脳の負荷は30〜40%軽くなると言われています。
② “感情を可視化”してワーキングメモリを解放
未処理の感情は、脳にとって最もコストの高いデータ。
5分でいいので次を実施:
● 感情ダンプ
紙に「今の気持ち」を全部書き出す
(理由の説明なし、ただ並べるだけ)
→ 情動処理が進み、脳の負荷が軽くなる
③ 「やらないタスク」を決める(最強の疲労リセット)
脳はタスクが“未完了のまま存在している”だけで疲れる。
● 今日やらないものを3つ決める
・返信しない
・片付けない
・調べない
・頑張らないタスクを選ぶ
これは 脳の負荷を一気に減らすショートカット です。
④ 5分の“眼の休息”でエネルギー誤作動がリセットされる
脳の疲れの60%は 視覚情報の処理疲労。
● 5分間、何も見ない・ぼーっとする
・窓の外を見る
・目を閉じる
・天井を眺める
これだけで「疲労感だけが消える」現象が起きます。
⑤ 3分の軽い運動で“本物のエネルギー”を戻す
脳が間違って疲労モードに入っているときは、
軽い体の刺激で誤作動が解除されます。
- ストレッチ
- 軽いスクワット
- 肩回し
- 深呼吸
これにより 自律神経が整い“やる気スイッチ”が戻る。
4. まとめ:本当に疲れているのは“脳の処理システム”
✔ 体は元気なのに疲れた
✔ なんとなくしんどい
✔ 何もしてないのにやる気が出ない
✔ 休んでも回復しない
✔ 気持ちだけが重い
これらは エネルギーミスリード=脳の誤作動 です。
【今日からできる回復チェックリスト】
- 余計な情報を一度すべて断つ
- 感情を紙に書き出す
- やらないタスクを決める
- 5分だけ目を休める
- 3分だけ体を動かす
この5つをやるだけで
“疲れてないのに疲れる”現象は大きく改善していきます。

