無意識に自分を追い詰めてしまう“思考のクセ”5選(EQで解説)
私たちは、意識していなくても “自分で自分を苦しめてしまう考え方” を持っていることがあります。
これは性格ではなく、**思考のパターン(認知のクセ)**であり、EQ(感情知性)を使うことで修正できます。
本記事では、日常でよく起きる5つの「心を追い詰める思考グセ」と、その手放し方をEQ視点で解説します。
1. 完璧にこだわりすぎる「オール・オア・ナッシング思考」
● 無意識のうちにこう考えていませんか?
- 100点じゃないと意味がない
- 少しミスしただけで「自分はダメ」と思う
- 最初の一歩を踏み出せない
これは典型的な ゼロか100か思考。
脳に“失敗の恐怖”を植えつけ、挑戦を遠ざけてしまいます。
● EQでの対処法
EQでは、完璧ではない自分を受容する 「自己コンパッション」 が重要。
次の言葉を習慣にしてみてください。
「70点でOK。成長はプロセスで測る。」
これだけで、行動量が増え、自己効力感も高まります。
2. 「自分なんて…」と考える“自責思考”
ミスや不調があると、すべてを自分の責任にしてしまうタイプ。
EQでは「感情の歪み」として扱われます。
● よくある行動
- 仕事が遅れたら「自分の能力不足」と決めつける
- 他人に迷惑をかけたと思い込み謝り続ける
- 期待に応えられないと強烈な罪悪感を抱く
● EQでの対処法
「事実」と「解釈」を切り分ける。
事実:仕事が遅れた
解釈:自分が無能だから遅れた(←これは自分の憶測)
事実を客観視するだけで、心の負担は大きく軽くなります。
3. 他人と比べて落ち込む“比較思考”
SNS時代に増えている、最も強力なストレス源。
● こんなクセがありませんか?
- 他人の成功を見ると自分が負けた気になる
- 年収・フォロワー・肩書き…常に比較対象がある
- 人の評価によって自己価値が揺れる
● EQでの対処法
意識すべきは「ベクトル」。
- 比較のベクトルが“外” → 苦しむ
- 比較のベクトルが“過去の自分” → 成長に変わる
今日から比較対象を
他人 → 昨日の自分
に切り替えるだけで、感情の揺れが驚くほど減ります。
4. 「嫌われたかも…」と不安を増幅させる“読心術”
相手の気持ちを「勝手に読もうとする」こと。
心理学では マインドリーディング と呼ばれます。
● 典型的なパターン
- 返信が遅い=嫌われた
- 無表情=怒っている
- 会話が短い=自分に興味がない
ほとんどが“ただの誤解”。
しかし、このクセがあると人間関係のストレスが倍増します。
● EQでの対処法
自動的に出る「思い込みの感情」をキャッチし、
次の一言で中和します。
「私は今“そう感じている”だけ。」
感情と事実の分離が、EQではとても大切です。
5. 悪い未来を勝手に想像する“破滅思考(カタストロフィー化)”
起こってもいない最悪のシナリオを考えて心が疲弊する状態。
● よくある例
- 少し体調が悪い → 大病かもしれない
- 上司に呼ばれた → 叱られるに違いない
- 新しい仕事 → 絶対失敗する
● EQでの対処法
不安に飲み込まれそうになったら、
次の質問を自分にしてみてください。
- その最悪の未来が起こる確率はどれくらい?
- 起こった場合、取れる対策は?
- 実際には何が“今、事実”として起きている?
思考が整理され、破滅的な妄想が鎮まっていきます。
まとめ:思考のクセは“性格”ではなく“習慣”
あなたを追い詰めていたのは、
あなたの性格ではなく 「思考習慣」 です。
EQを高めることで、
・完璧主義
・自己否定
・比較癖
・読心術
・破滅思考
これらは十分に修正できます。
心が軽くなるのは、「考え方」を少し変えた瞬間からです。

