感情の“優先順位”がつけられないと、心はすぐにパンクする
「なぜかずっとモヤモヤする」
「何にイラ立っているのかハッキリしない」
「やるべきことに集中できない」
こうした状態は、メンタルが弱いからではありません。
多くの場合、原因は「感情の渋滞」にあります。
本来、人は感情に優先順位をつけながら処理しています。
しかし心が疲れていたり、情報量が多すぎたりすると、その仕組みが機能しなくなり…
- 些細なことでも反応してしまう
- 判断がブレる
- 新しいタスクに取りかかれない
- 無駄に自分を責める
という“心の処理落ち”が起きます。
ここで大切になるのが EQ(感情知性) です。
脳は「未処理の感情」を最優先で処理しようとする
脳には「未解決のものを優先的に意識させる」性質があります。
これはツァイガルニク効果とも呼ばれ、終わっていないタスクや感情は、脳内リソースをずっと奪い続けます。
つまり…
怒り・不安・疲労・焦りを“放置”すると、それだけで脳のメモリは圧迫される
ということ。
やるべきことが多いのに動けないのは、能力不足ではなく、
脳が感情処理でフル稼働しているからです。
EQが低いと、感情の優先順位がぐちゃぐちゃになる
EQが低下すると、次の現象が起こりやすくなります。
① 何に反応しているかが分からない
本当は「疲れているだけ」なのに、
「人にイライラ」と錯覚する。
② 感情のラベリングが曖昧になる
不安なのか、怒りなのか、焦りなのかが判別できない。
③ 不要な感情が最優先扱いになる
たまたま目についた刺激に反応してしまい、本質を見失う。
④ “処理しなきゃいけない”ことが多すぎるように感じる
タスクよりも感情が優先されてしまうため、負荷が跳ね上がる。
これが続くと
- やる気が出ない
- 判断が遅くなる
- 自信が削られる
という悪循環に陥ります。
EQを使って「感情の優先順位」を整える方法
① 感情を1行で“言語化”する
未処理の感情は、言葉にするだけで負荷が大幅に下がります。
例:
- 「私は不安を感じている」
- 「今日は疲れてイラつきやすい」
ポイントはシンプルに書くこと。
② 感情を3つのカテゴリに仕分ける
すべての感情は以下のどれかに分類できます。
- A:今すぐ対処すべき感情(危険・問題)
- B:後で対応していい感情(軽い不安・雑音)
- C:放っておいていい感情(妄想・思い込み)
例:
「職場で嫌味を言われた」
→ A(対応すべき問題)
「今後また失敗したらどうしよう…」
→ C(根拠のない不安・妄想)
この仕分けだけで、感情の混線は大幅に減ります。
③ 感情を“1つだけ”選ぶ
混線する人は、複数の感情を同時に処理しようとしがちです。
しかし脳はマルチタスクに向いていません。
今日のトピックをひとつ選びましょう。
例:
「今日は“疲れ”のケアを最優先にする」
これだけで、判断がクリアになります。
④ “身体感覚”を使って感情をリセットする
脳の処理負荷は、身体を使うと一気に軽くなります。
- 深呼吸
- 5分の散歩
- 目を閉じて肩を回す
- コーヒーの香りを嗅ぐ
これは「身体 → 脳」へのフィードバックで、
思考の暴走を止める効果があります。
⑤ 感情を“後で処理する”引き出しをつくる
感情の優先順位がつけられない人は、
「後で処理」という発想がありません。
メモアプリでも紙でもOK。
例:
『23時に今日の不安を振り返る』
『帰宅後に怒りの整理をする』
脳は「後で処理できる」と分かると、安心して現在のタスクに集中できます。
感情の優先順位が整うと、人生のノイズが消える
- 判断がブレなくなる
- 無駄に落ち込まなくなる
- 他人の言葉に振り回されない
- モチベーションが安定する
- 仕事も人間関係も楽になる
感情の優先順位がつけられるというのは
“心のメモリ管理ができる”ということ。
EQは、そのメンテナンスのための最強のスキルです。
まとめ
✔ 未処理の感情は脳のリソースを奪う
✔ EQが低いと感情が混線して優先順位が乱れる
✔ 言語化 → 仕分け → 1つに集中 → 身体介入 → 後で処理
この流れで心の負荷は確実に軽くなる

