はじめに
「またイライラしてしまった」
「不安に飲み込まれて何も手につかない」
「ちょっとしたことで落ち込んで、気持ちの切り替えができない」
そんな風に、感情に振り回されて苦しんでいる人は、決してあなただけではありません。
一方で、同じように忙しく働いているのに、なぜか感情の波にのまれずに淡々と前に進める人がいます。
あの人と私、何が違うのだろう?
どうしたら、もう少し心に余裕を持って生きられるのだろう?
この記事では、心理学やカウンセリングの知見をもとに、「感情に飲まれない人がしている習慣や思考の工夫」について解説します。
感情を“我慢する”のではなく、“うまくつきあっていく”ためのヒントを一緒に探っていきましょう。
感情に“飲まれる”とはどういうことか?
まず、「感情に飲まれる」とはどのような状態なのでしょうか。
それは、たとえば以下のような状態です。
- 頭では冷静にしたいのに、怒りや悲しみに圧倒されて行動が取れない
- 不安や焦りが強すぎて、考えが堂々巡りになってしまう
- 感情のせいで、仕事や人間関係に悪影響が出てしまう
このように、自分の内側から湧いてくる感情に意識も行動も支配されてしまっている状態が、「感情に飲まれる」ということです。
実はこの状態、感情を“敵”として扱っていることが原因のひとつです。
「イライラしてはいけない」「不安なんて感じる自分は弱い」──
そんなふうに思っていませんか?
でも感情は、私たちの心が発する“自然なサイン”。
無理に抑えようとすると、逆に強くなってしまうのです。
では、感情に飲まれず、上手に扱える人は何をしているのでしょうか?
感情に飲まれない人がしていること①:「気づく」ことを最優先している
感情にのまれてしまう人の多くは、「怒っている」「落ち込んでいる」と気づく前に、すでにその感情に飲み込まれています。
一方で、感情に強い人は、まず**「今、自分は怒っているな」「不安が強まっているな」とラベリング(感情に名前をつける)**ことが習慣になっています。
これは心理学において「メタ認知」と呼ばれ、自分の内側を一歩引いた視点で観察する力です。
たとえば…
×「なんでこんなにイライラするんだ!」
○「今、自分の中に怒りがあるな。もしかすると焦っているのかも」
このように、感情を“観察対象”にすることができれば、反射的に反応することなく、選択肢が生まれます。
「気づく」ことが、すべての感情コントロールの出発点なのです。
感情に飲まれない人がしていること②:「身体」にアプローチしている
感情は、脳の中の「扁桃体」という原始的な部位で反応します。これは非常に早く、反射的に働くため、「感じる→動く」が一瞬で起こります。
ところが、理性を司る「前頭前野」は、感情が発動したあとにじわじわと働き始めます。
つまり、「頭で落ち着こう」と思っても、脳の構造的に、理性が感情に追いつくのには時間がかかるのです。
そこで有効なのが、「身体」から感情にアプローチする方法です。
- 深呼吸(ゆっくり4秒吸って、8秒かけて吐く)
- 背筋を伸ばして姿勢を整える
- 少しその場を離れて歩く、窓の外を見る
- 手足を軽くマッサージする
身体の緊張をゆるめることで、心にもスペースが生まれます。
感情は“頭”だけで整えようとせず、身体ごとケアする習慣が大切です。
感情に飲まれない人がしていること③:「感情を否定せず、意味を探す」
感情に振り回される人は、「こんな感情を感じてはいけない」「まだそんなこと言ってるの?」と、自分の内面を批判してしまうことがあります。
でも、感情とは「心のセンサー」であり、大切な価値観やニーズが踏みにじられたときに作動するアラームのようなものです。
たとえば…
- 怒りの裏には、「ちゃんと扱われたい」「大切にされたい」
- 悲しみの裏には、「失いたくなかった」「もっと近づきたかった」
- 不安の裏には、「失敗したくない」「守りたいものがある」
感情の意味を見つけられるようになると、それはただの“敵”ではなく、“対話すべき相手”になります。
「なぜ私はこんなに反応しているのだろう?」と、自分の中の声を丁寧に聞くことができる人は、感情に流されずに生きる力を持っています。
感情とともに生きる、という選択
感情に強い人は、感情がない人ではありません。
むしろ、自分の感情をしっかり感じ取り、それを受け止める力がある人です。
感情はなくせませんし、なくす必要もありません。
でも、「その感情とどうつきあうか」は、後天的に育てていける力です。
・気づくこと
・身体から整えること
・意味を理解してあげること
こうした習慣を身につけることで、感情に飲まれず、人生のハンドルを自分で握れるようになります。
感情を味方につけて、自分らしい選択ができるようになる。
それが、感情に強くなるということなのです。
最後に──Hanasuという“話せる場所”
「気持ちに気づけないまま振り回される」
「感情をうまく扱えず、人間関係で後悔ばかりしてしまう」
「本当は誰かに気持ちを聞いてほしいけど、言葉にできない」
そんなとき、安心して“話せる場所”があることは、心にとって大きな支えになります。
オンラインカウンセリングサービス「Hanasu(ハナス)」は、
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