恋愛初期に妄想が止まらないのはなぜ?
恋愛が始まると、まだ何も起きていないのに、
- 「この人、運命の相手かもしれない」
- 「返信が遅い…嫌われた?」
- 「今度会ったらこう言われるかも」
- 「このまま付き合って、結婚して…」
と、極端な未来予測をしてしまうことがあります。
それはあなたが特別不安だからでも、妄想癖があるからでもありません。
恋愛初期は“予測脳(Predictive Brain)”が暴走しやすいフェーズだからです。
そして、その暴走には明確な脳科学的理由があります。
1. 恋愛初期は“データ不足”だから、脳が空白を埋めようとする
脳は常に「次に何が起こるか」を予測しながら生きています。
しかし、恋愛初期は 相手に関する情報が圧倒的に足りない状態。
情報が少ないとき、脳はこういう動きをします。
- わからない部分を想像で補う
- 過去の経験や願望を元に“仮説”を作り出す
- 空白を埋めるために予測が暴走する
つまり恋愛初期は、脳の予測装置にとって “誤作動しやすい環境” なのです。
2. ドーパミンが予測を極端にする
恋愛初期はドーパミンが一気に上昇します。
ドーパミンは「もっと知りたい」「もっと近づきたい」という探索本能を強く刺激するホルモン。
しかし同時に、こんな副作用を起こします。
- 根拠のない自信
- 根拠のない不安
- 過剰な期待
- 過剰な失望
- 相手の一挙一動を深読み
つまり恋愛初期は、脳が“ハイテンションモード”になっている状態。
その結果、小さな刺激が大きな意味を持つように感じてしまうのです。
3. 恋愛はリスクの高い領域=脳が過剰に予測する
恋愛は脳にとって“リスクの高いイベント”です。
- 拒絶されたら痛い
- 失うと苦しい
- 未来が左右される可能性がある
だから脳は、通常よりも 過敏に予測しようとする。
その結果、こんな反応に変換されます。
- 「返信遅い → 嫌われたかも」
- 「今日は優しい → 脈あるかも」
- 「誘ってくれた → 彼は私に気がある?」
- 「冷たい → もう終わり?」
現実はまだ何も起きていなくても、脳は勝手に“未来シミュレーション”を始めます。
これが恋愛初期に妄想が暴走する正体です。
4. 予測脳が暴走すると起きる3つの症状
① シナリオ思考(最悪/最高の妄想)
「もし、このまま告白されて、付き合って、結婚して…」
「既読つかない…きっと終わった…」
両極端に振れるのが特徴です。
② 過度な深読み
相手の何気ない行動を“意味のあるサイン”として受け取ってしまう。
例:目が合っただけで「好意?」
例:そっけないと「嫌われた?」
③ 頭が恋愛でいっぱいになる
集中できない、他のことが考えられない、眠れない…
これは予測脳がフル稼働している証拠。
5. “予測脳の暴走”を落ち着かせる3つの方法
①「事実」と「解釈」を分ける
- 事実:返信が遅い
- 解釈:嫌われたかも
この切り分けだけで予測脳は静まりやすくなります。
② 明確な情報が揃うまで判断しない
恋愛初期はデータ不足。
「判断は、情報が揃ってから」と決めるだけで暴走が減ります。
③ 自分の状態を“実況する”
- 「今、私は不安な未来を予測してるな」
- 「今、期待で暴走してるな」
感情の“名前をつける”と、前頭前野が再起動して冷静さが戻ります。
まとめ:妄想するのは、あなたが弱いからではない
恋愛初期に妄想が止まらないのは 脳の自然な反応 です。
✔ 情報が少なくて予測が暴走する
✔ ドーパミンで過度に興奮する
✔ リスクを察知して深読みしようとする
つまり、恋愛初期は誰もが“妄想しやすい脳”になるフェーズ。
自分を責める必要はありません。
むしろ、それだけ誰かを大切に思えている証拠です。

