恋愛が続かないのは「飽き性」ではなく“情動持久力”の問題かもしれない
恋愛が長続きしない人の多くは、「自分は飽き性」「付き合うとしんどくなる」と自己判断しがちです。
けれど実際には、感情を維持するための“情動持久力(Emotional Endurance)”が弱いだけというケースが非常に多いのです。
情動持久力とは一言でいうと、
・恋愛で生まれる“良い感情”と“しんどい感情”の両方を抱え続ける力
のこと。
恋愛が続かない理由は、「気持ちが無くなる」のではなく、
心のスタミナが切れてしまうことにあります。
■ 恋愛が長続きしない人の特徴と“情動持久力”の関係
① 感情の起伏にそのまま飲まれるタイプ
恋愛では「嬉しい」「不安」「嫉妬」「期待」といった感情が同時に押し寄せます。
情動持久力が弱い人は、この感情の波を処理しきれず、
- 一瞬で気持ちが冷める
- 不安が強すぎて逃げたくなる
- しんどい=相性が悪いと誤解する
という判断をしてしまいがちです。
本当は「気持ちがある」のに、処理負荷に負けてしまうのです。
② “理想の恋愛”の負荷が高すぎる
情動持久力が弱い人は、理想像のハードルが高くなりやすい傾向があります。
- ケンカしたら終わり
- 気持ちが少し揺れた=もう無理
- 完璧な関係じゃないと気持ちが維持できない
この“完璧基準”が心のスタミナを消耗させます。
恋愛は「安定 × 揺れ」のセットですが、
「揺れ=関係がダメ」という誤解により破綻しやすくなるのです。
③ 自分の感情を調整するのが苦手
情動持久力は、
自分の中の不安・怒り・寂しさを調整するEQ能力と密接に関連しています。
- 連絡頻度のブレに過剰反応
- 相手のペースに合わせすぎて疲れる
- 「好き」の気持ちが揺らぐと焦る
といった状態が続くと、心がすぐ摩耗してしまい、
恋愛を維持する余力がなくなります。
④ 相手より“状況”に振り回されてしまう
情動持久力が弱い人は、
相手の言動ではなく、自分の脳内で作り出したストーリーに疲れるタイプでもあります。
- 返信が遅い → 嫌われたかも
- 距離が近くなる → いつか裏切られそう
- 相手の機嫌が読めない → 価値がない気がする
このような内的ストレスが恋愛の継続を困難にします。
■ 恋愛を長続きさせるための“情動持久力”トレーニング
① 感情の「共存」を練習する
恋愛は“矛盾する感情”が共存します。
- 好きだけど不安
- 会いたいけど怖い
- 喜びと心配が混ざる
この「混ざった感情」を“そのまま抱える”練習が情動持久力を高めます。
→ 感情をひとつにまとめようとしない。
複数あってOKと認める。
これだけで感情の崩壊スピードが大幅に減ります。
② 感情の波を「事実」と切り分ける練習
不安や寂しさは「事実」ではなく、あくまで“内的反応”です。
事実:返信が遅い
感情:不安になった
解釈:嫌われた?
この3つを分離して書き出すだけで、
感情の暴走が止まり、恋愛が安定します。
③ 自分のペースを死守する
情動持久力が弱い人は、相手に合わせすぎて消耗しやすい傾向があります。
恋愛を長く続けるには、
- 1日の休息
- 一人の時間
- 仕事や趣味の優先度
これらを絶対に手放さないことが必須です。
自分のペースを奪われる=恋愛の持久力が急速に低下するからです。
④ “安心のストック”を作る
恋愛では安心感がエネルギー源になります。
- 過去に相手と上手くいった記憶
- 大切にされた経験
- 自分の魅力を自覚するノート
- 落ち着けるルーティン
これらが「心の燃料」になり、持久力が伸びていきます。
■ まとめ:恋愛を続ける鍵は“気持ちの強さ”ではなく心のスタミナ
恋愛が長続きしない人は、
「自分は向いていない」と思いがちですが、そうではありません。
必要なのは、
“情動持久力”という心のスタミナを少しずつ鍛えていくこと。
恋愛とは、
- ときめき
- 不安
- 安心
- 期待
- 迷い
これらが同時に存在する“複雑な感情のスポーツ”。
だからこそ、
感情を抱え続けられる持久力を手に入れることで、
恋愛は驚くほど安定し、深まっていくようになります。

