【はじめに】
「心理的安全性(Psychological Safety)」という言葉を耳にする機会が増えています。
これは、Googleの生産性調査によって注目されるようになった概念であり、「自分の考えや気持ちを安心して表現できる職場環境」を意味します。
いま、学生も社員も企業を選ぶ基準として、給与やネームバリュー以上に“心理的安全性”を重視する傾向があります。
それはなぜか? 本記事では、心理的安全性のある組織がなぜ求職者からも社員からも選ばれるのかを、学生視点・社員視点の両面から解説し、企業がとるべき具体的アクションまでご紹介します。
【1. なぜ“心理的安全性”が重要なのか?】
■ 意見を言っても否定されない
心理的安全性がある環境では、社員が「こんなことを言ったら怒られるかも…」と怯えることなく、自分の考えや疑問を率直に発言することができます。
これは単なる「居心地の良さ」ではなく、チームの創造性・問題解決力に直結します。
誰もが自由に意見を出せることで、新しいアイデアや改善提案が生まれやすくなり、組織全体の質が高まるのです。
■ Z世代は“空気”を敏感に感じ取る
とくに新卒・若手層は、面接やインターンを通じて、「この会社は何を言ってもいい雰囲気か?」「誰かが上司に遠慮していないか?」という“組織の空気感”を鋭く察知しています。
これまでの「働きやすさ=福利厚生」から、「働きやすさ=心理的安全性」へ。
“空気が柔らかい組織”が、選ばれる時代に突入しているのです。
【2. 学生が企業に求めている“本当の働きやすさ”とは】
■ 「制度」よりも「人間関係」を重視
就活生のESや面接での質問で最も多いのが、
「若手でも発言しやすい雰囲気ですか?」
「先輩や上司とはどのような関係ですか?」
つまり、制度や給与ではなく、「自分らしくいられるか」「相談しやすいか」といった人間関係への関心が非常に高いことが分かります。
■ 離職の主因も“人間関係の不安”
早期離職の理由として、「仕事内容が合わなかった」よりも多いのが、
「相談できなかった」「居場所がなかった」「否定された」という心理的要因。
採用時にこの安心感を届けられるかどうかが、長期的な定着と満足度を左右します。
【3. 社員が「辞めたくならない」職場の共通点】
▼ 1. 雑談・笑いが飛び交う日常
心理的安全性の高い職場では、上司や同僚との何気ないコミュニケーションの頻度が多いです。
たとえば、朝の「調子どう?」という一言、昼休みの雑談、Slackのスタンプ。
こうした“ノンタスクな会話”が、人と人との距離感を縮めていきます。
▼ 2. 失敗しても責められない文化
新しいチャレンジや改善提案には必ず“リスク”が伴います。
心理的安全性のあるチームでは、失敗したことそのものではなく、挑戦したことを評価する空気があります。
この「失敗しても大丈夫」という感覚が、若手の自信や成長意欲を後押しします。
▼ 3. 上司が「聞く力」を持っている
リーダーシップのスタイルも変化しています。
命令型ではなく、“問いかけ型”“共感型”のマネジメントが社員の信頼を獲得しています。
部下の話を遮らずに「まず聞く」「考えを尊重する」ことで、部下も「自分の意見が受け入れられている」と感じるのです。
【4. 心理的安全性を高めるために企業ができること】
■ 小さなサインに気づく文化を育てる
- 新人が静かに悩んでいるサイン
- 会議で何も発言していないメンバー
- Slackで発言が途絶えた同僚
こうした小さな違和感に敏感な組織ほど、孤立を防ぐことができ、信頼関係を育てやすいです。
■ 定期的な“気持ち”ベースの1on1を実施
評価やタスク確認だけでなく、「最近どう?」「困っていることある?」といった感情ベースの対話を意識した1on1を取り入れることで、社員の本音が出やすくなります。
■ 若手を“意見する側”に巻き込む
上から与えるのではなく、「どんな組織にしたいか?」「あなたならどうするか?」を若手自身に問い、意見を求める機会を持つことで、主体性と信頼が生まれます。
【まとめ】
心理的安全性は、「仲良し組織」ではなく、誰もが自分らしく意見を出し、学び合える健全な組織の土台です。
採用競争が激化する今、給与や福利厚生ではなく、“空気の質”で企業が選ばれる時代が到来しています。
学生にも社員にも選ばれる組織づくりの第一歩は、
制度設計ではなく「人と人との関係性設計」から。
その空気をどう伝えるか、その関係性をどう育てるか――。
それこそが、これからの採用広報・組織づくりに問われている本質です。
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