なぜか選ばれない。理由は“恐怖感”かもしれない。

選考フローも整っている。福利厚生も他社とそん色ない。なのに、学生からの応募数が伸びない――。

そんな悩みを抱える採用担当者は少なくありません。その原因は、企業側が意識しづらい「印象の悪さ」や「不信感」にある場合があります。

なかでも近年、学生の間で語られるのが、「この企業、なんか怖い」「ちょっと警戒した方がいいかも」といった感覚です。

もちろん、暴言や圧迫面接のような極端な例ばかりではありません。むしろ、一見「普通」に見える企業こそが、知らず知らずのうちに“怖い企業”になっていることがあるのです。

今回は、学生の声をもとに「怖いと感じられる企業」の共通点を整理し、信頼される採用広報・面接設計のあり方を探っていきます。


【共通点1】「なにをしている会社なのか」が曖昧

学生がエントリーを見送る理由のひとつが、事業内容が不明瞭であることです。

たとえば、

  • 「◯◯に関わるソリューションを展開しています」
  • 「お客様の課題を多角的に支援する会社です」

といった、抽象度の高い説明だけが並び、具体的にどんな製品やサービスがあるのか、どんな人が働いているのかが見えてこない。

この状態に、学生はこう感じます。

「なにやってるかよく分からないのに『志望動機を聞かせて』って言われても困る」
「情報が出てこないのは、何か隠しているのかなって思ってしまう」

つまり、説明不足は“情報を開示していない企業”=信用できない企業と見なされる可能性があるのです。


【共通点2】説明会・面接が一方通行である

説明会や面接が「企業側の話だけで終わる」「学生の話を聞いてくれない」と感じた場合、それは学生にとって大きな不信感につながります。

たとえば、

  • 会社説明会での質疑応答がまったくない
  • 面接官が一方的に「うちの強み」を語り続ける
  • 学生の発言を遮る・メモすら取らない

こうした態度から学生が感じ取るのは、「自分はこの企業にとって“人材”ではなく、“選別対象”でしかないのでは」という恐れです。

ある学生はこう語っています。

「本当に私の話を聞く気があるのかなって思って、怖くなってしまった。社員もそうやって扱われているのかな、って想像してしまう」

双方向のやりとりがない企業は、“見下されている”“都合のいい人だけを探している”という印象を与えがちです。


【共通点3】“いいことばかり”話している

福利厚生、成長支援、働き方の柔軟性…。魅力的な言葉が並ぶのは当然です。しかし、“ポジティブな情報しかない企業”は、逆に怪しまれるのが現代の就活です。

学生は、企業の“良さ”だけでなく、“リアルさ”を求めています。

たとえば、

  • 「最初は仕事が大変だった」という社員の本音
  • 「ここはまだ改善途中」と語る経営層の姿勢
  • 「苦労もあるけど、それをどう乗り越えたか」というストーリー

こうした“等身大の発信”がない企業は、「表面的に取り繕っているだけでは?」という警戒心を持たれやすくなります。

Z世代は、きれいごとに敏感です。だからこそ、正直さや透明性が、安心感につながる時代なのです。


【共通点4】採用プロセスがブラックボックス化している

選考結果の通知が遅い。連絡が突然途絶える。面接の内容や評価基準が不明瞭。

こうした状況は、学生にとっては単なる不便ではなく、「コントロールできない怖さ」として作用します。

「落ちたのか受かったのかも分からず、何週間も待たされた」
「面接で何を見られていたのかが分からなくて、不安でしかなかった」

学生は、「企業の採用の進め方そのもの」に企業文化を重ねて見ています。

つまり、採用活動の不透明さ=社内のマネジメントや意思決定も不透明というイメージにつながるのです。


【共通点5】社員の“表情”に違和感がある

最後に、意外と学生が敏感に感じ取っているのが、社員の雰囲気や表情です。

オンライン面談や説明会でも、

  • 「社員の顔がこわばっていた」
  • 「テンプレートのような受け答えで、感情が感じられなかった」
  • 「楽しそうに話していなかった」

といった印象は、「この会社で働くと自分もこうなってしまうのでは」と連想させてしまいます。

企業が伝える言葉以上に、“誰が、どんな顔で語っているか”は、企業文化の鏡です。


企業ができる、「怖くない企業」になるためのアクション

1. 情報開示のレベルを見直す

抽象的な表現ではなく、「どんな商品・顧客・課題」に関わるのかを具体的に伝えましょう。事業や仕事の中身にリアリティがなければ、応募にはつながりません。

2. 学生の話を「聴く」姿勢を持つ

説明会・面接において、質問を歓迎する文化を示し、学生の発言に共感や反応を示すことで、安心感を生み出します。

3. ポジティブ一辺倒を避ける

「苦労もある」「うまくいかないこともある」という“未完成な部分”を見せることで、学生との心理的距離が縮まります。

4. 採用プロセスの透明性を高める

次のステップの時期、評価ポイント、選考理由などを適切に共有し、学生の不安を減らす工夫を。

5. 社員の“素顔”を届ける

写真や動画で、社員の自然な表情や言葉を伝える。リアルなストーリーが、企業に人間味と信頼を与えます。


まとめ:「怖くないこと」は、企業選びの重要条件

就活生にとって、「この会社で働いた自分が想像できるか」は、極めて重要な意思決定の軸です。

そこに不透明さや不自然さ、冷たさがあると、「なんとなく怖い」「避けておこう」という感情が生まれます。

企業が“誠実であること”“開かれていること”を体現できれば、それだけで応募のハードルは下がります。


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