「論理的に納得した」だけでは、人は動かない

就職活動というと、合理的な選択の連続のように思われがちです。
企業規模、事業内容、給与、成長機会…。学生たちもそれらの情報を比較し、判断しているように見えます。

しかし実際には、学生が「この会社にエントリーしよう」と決断する瞬間には、“感情の温度”が強く影響していることが多いのです。

  • 「なんかいいなと思った」
  • 「この人と働きたいと思った」
  • 「話を聞いていてワクワクした」

こうした言葉に象徴されるように、共感・安心感・期待感といった“感情の揺れ”こそが、エントリーや志望動機の原動力となっているのが、今の就活のリアルです。

今回は、「就活は感情戦である」という視点から、企業が学生との“温度差”をどう埋め、共感を生む採用広報や接点づくりをどう設計すべきかを掘り下げます。


エントリーの決め手は、合理性より“共感”にある

大手ナビサイトや採用媒体では、企業の特徴が論理的に整然と並んでいます。
しかし、それだけで学生の心は動きません。どんなに条件が良くても、「なんとなくしっくりこない」「ピンと来なかった」という理由で候補から外される企業も少なくないのです。

ある学生は、こう語ります。

「条件とか制度の違いって、正直どこも似てる。最後に決めるのは、“自分がそこにいる未来がイメージできるか”なんですよね」

つまり、就活とは“比較”だけではなく、“共鳴”による意思決定でもあるということです。
その共鳴を生むには、情報の質だけでなく、“感情的なつながり”が求められています。


学生が「温度」を感じる3つの瞬間

1. 「人」との接点が生む空気感

最も強い“温度”を感じるのが、社員との接点です。
面談、インターン、座談会…。どんな人がどんな言葉で語るかによって、企業の印象は大きく左右されます。

たとえば、

  • 一緒に働くイメージが湧いた
  • 話しやすくて自然体になれた
  • 「こんな上司だったらいいな」と思えた

といった感覚は、資料では得られない“感情の確信”をもたらします。
逆に、「どこか冷たい」「テンプレっぽい」「共感が湧かない」と感じれば、それだけで離脱につながります。


2. ストーリーに触れたときの没入感

もうひとつの「温度の源泉」は、企業や社員が持つリアルなストーリーです。

  • 挫折から学んだ経験談
  • 社員がなぜこの会社を選んだのか
  • 入社後に感じたギャップと変化

これらのエピソードには、数字では語れない“人間らしさ”があります。
そしてZ世代の学生たちは、そのような「本音や実感」にこそ強く惹かれるのです。

「この人も悩んでたんだって思えて安心した」
「私もそういう考え方したことあるかも、って共感できた」

ストーリーがあることで、企業は“遠い存在”から“身近な選択肢”へと変わります。


3. オンライン空間でも感じ取れる“雰囲気”

コロナ禍以降、オンライン面談やWeb説明会が主流になりました。
直接会わなくても、画面越しに伝わる“雰囲気”が、学生の意思決定に影響を与えています。

  • 表情やトーンに自然さがあるか
  • 脱テンプレな会話ができているか
  • 「この場を大事にしてくれている」と感じられるか

学生は、驚くほど繊細に“企業の本気度”や“社員の温度”を読み取っています。
つまり、オンライン時代の採用は「空気をつくる技術」がますます重要になっているのです。


なぜ、企業と学生に“温度差”が生まれるのか?

企業と学生の間にある“温度差”の原因のひとつは、企業側が「理屈」で語りすぎていることにあります。

  • 事業計画の強み
  • 福利厚生の充実度
  • 成長支援制度の豊富さ

どれも重要な情報ですが、それだけでは「好きになれる理由」にはなりません。
“心が動くポイント”を無視した発信は、学生にとっては「情報はあるけど、何も感じない」企業として映ってしまいます。


学生の“感情”に寄り添う採用広報・接点設計とは?

1. 「人」で惹きつける設計をする

  • 社員インタビューを“本音重視”で作る
  • 動画や座談会で素顔を見せる
  • 面談・面接での雑談や脱スクリプトの工夫

採用における「この人と働きたい」は、最強の志望理由になります。
企業は“人の魅力が伝わる設計”にもっと本気になる必要があります。


2. 「感情の起伏」を仕込むストーリー設計

学生の共感を呼ぶには、単なる成功談ではなく、葛藤・失敗・回復のプロセスを伝えることが重要です。

  • 迷った経験
  • なぜこの会社に決めたのか
  • 入社後にギャップを感じたこと

こうしたエピソードには、学生が自分を投影できる“感情の接点”が含まれています。
企業紹介ではなく、人の物語を届ける視点が必要です。


3. エントリーの「前」に、好きになってもらう体験を設計する

就活の意思決定は、「好き・嫌い」から始まります。

そのためには、

  • カジュアルに話せる場(OB訪問・1on1トーク)
  • 就活の目的を一緒に考える機会(自己理解ワークショップ)
  • 学生が“自分のままでいられる”環境(心理的安全性)

など、「選考」以前の“感情的な接点”を設計することが鍵になります。


就活は、「感情の信頼」を勝ち取る戦い

合理的な条件や情報の整備は、もはや前提。
それだけでは、Z世代の学生たちは動きません。

彼らが求めているのは、「この人たちとならやっていけるかも」「ここにいる自分を好きになれそう」という、感情レベルの確信です。

そしてその確信は、エントリーというアクションに直結します。


採用の“温度設計”を、DRAMATIC CAREERSが支援します

DRAMATIC CAREERSでは、学生の“感情の動き”に着目した採用コンテンツ・接点設計の支援を行っています。

  • 本音と共感を生むストーリー設計
  • 社員の魅力を可視化する動画・インタビュー企画
  • Z世代に刺さる“感情起点”の広報戦略

学生の「なんとなく良かったから受けてみた」を設計し、感情から選ばれる企業づくりを支援します。

▶ 詳しくはこちら:https://dramatic.careers/

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