「雑談で終わった」「手応えがない」1on1の悩み

学生との1on1を導入する企業が増えています。
選考の前段階で関係を築いたり、内定後の不安を解消したりと、“接点づくり”の一環として非常に有効な手段です。

しかし、実際にやってみると、こんな声がよく聞かれます。

「学生が何を話したいのか、わからない」
「どこまで踏み込んで聞いていいのか迷う」
「自分ばかり話してしまっていた」
「結局、何も印象に残らなかった」

このような状態では、せっかくの1on1も単なる雑談の場で終わってしまい、本来の目的を果たすことができません。

では、企業側は1on1に臨む際、何から始めるべきなのでしょうか?


「目的」を言語化する──そもそも、何のための1on1か?

1on1がうまくいかない最大の原因は、“目的の不明確さ”にあります。

採用のどのフェーズで行う1on1なのかによって、目的は大きく変わります。

目的の例

学生の関心領域や価値観を知る。
期待値調整をする。
選考前応募のハードルを下げる。
会社への安心感を伝える。
面接通過後動機形成を高める。
企業理解の“感情的接点”をつくる。
内定後(プレ期)不安の解消・将来像の共創。
離脱リスクの事前察知。

この「目的設定」を怠ると、質問の軸も定まらず、学生にとっても「何の時間だったのか」が曖昧になります。


「聞き方」を設計する──“問いのデザイン”がすべて

1on1では、「何を聞くか」ももちろん大切ですが、
それ以上に重要なのが、「どう聞くか」です。

Z世代の学生は、“面接っぽい空気”や“正解探し”の雰囲気に敏感です。
そのため、こちらが構えて質問すればするほど、相手の本音は遠ざかってしまいます。

では、どのように質問を設計すればよいのでしょうか?


ポイント①:抽象ではなく“経験ベース”で聞く

NG例:「将来どうなりたいですか?」
→ 抽象的すぎて答えにくく、空気が重くなる

改善例:「最近『これは向いてるかも』と感じた瞬間ってありましたか?」→ 過去の出来事から語ってもらうと、自然に価値観が見えてきます。


ポイント②:“YES/NO”ではなく、“物語”を引き出す

NG例:「〇〇に興味ありますか?」
→ 単語で終わってしまい、話が広がらない

改善例:「なぜその分野に興味を持ったのですか?きっかけがあれば教えてください」
→ “なぜ”や“きっかけ”を聞くことで、思考の背景が浮かび上がります。


ポイント③:あえて“こちら側”から開く

学生の警戒心を解くためには、企業側から自己開示する姿勢が重要です。

例:
「うちの会社って、こういうところがちょっと変わってて(笑)…逆に、学生時代に違和感を持った組織ってありましたか?」

→ 先に自分たちの弱みや本音を開示することで、相手も話しやすくなります。


「話す順序」を意識する──1on1にも構造がある

無計画な1on1は、話が右往左往し、焦点がぼやけてしまいます。
以下のような構成で進めると、学生にとっても“意味のある時間”になりやすくなります。

1on1の流れ(30分の場合)

  1. アイスブレイク(5分)
     例:最近面白かった授業や趣味、週末の過ごし方など
  2. 学生自身の話(10分)
     例:大学生活の中で印象的だったこと/どんなことに熱中してきたか
  3. 企業との接点を探る(10分)
     例:どんな環境で力を発揮できると思うか/理想の働き方について
  4. 双方向の振り返り(5分)
     例:今日話してみてどうだったか/気になったことは?/次のステップの案内

この構造をもとに事前に質問セットをいくつか用意しておくと、会話の流れを自然に保つことができます。


「フィードバック」を丁寧に行う──対話のキャッチボールを忘れない

学生にとって、1on1は「評価される場」ではなく、「企業と対話する場」であってほしいものです。
だからこそ、企業側は一方的に質問を浴びせるのではなく、“受け止める姿勢”を示すフィードバック”が重要になります。

たとえば、以下のようなリアクションが有効です。

  • 「それって、きっとすごく大事にしてることなんですね」
  • 「うちの仕事で、それに近い価値観を大切にしてる場面がありますよ」
  • 「今の話、実は先輩社員の〇〇もよく話してます」

こうした“言葉の返し”によって、学生は「ちゃんと聞いてもらえた」と感じ、企業への信頼が生まれます。


「やるべきこと」は問いを準備することではない

学生との1on1で最も大切なのは、「何を聞くか」ではなく、
「この対話を通じて、何を伝えたいか」「何を得たいか」の“目的設計”を明確にすることです。

その上で、

  • 話しやすい雰囲気をどう作るか
  • 学生の“らしさ”をどう引き出すか
  • 対話から得たものを次にどう活かすか

これらをチームで共有・改善していくことが、1on1を“機能するコミュニケーション”に変えていく鍵になります。


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  • 面談担当者向けトレーニング
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学生との「対話力」が、企業の「魅力発信力」につながる。
1on1を、ただの面談で終わらせないために。私たちがお手伝いします。

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