好きになると「いつもの自分じゃなくなる」のはなぜ?
普段は普通に話せるのに、
好きな人を前にすると急にぎこちなくなる。
- 変にテンションが上がる
- 無駄に相槌が多くなる
- 自分の言葉を反省しまくる
- “いい感じの人”を演じてしまう
それはあなたの性格ではなく、
脳の“自己監視システム”が過剰稼働しているからです。
恋愛は、脳にとって「重大イベント」。
そのため、通常モードとはまるで違う回路が動き出します。
◆ 自己監視システムとは?
心理学ではこれを
self-monitoring(自己監視)と呼びます。
これは本来、
- 空気を読む
- 相手の反応を察知する
- 失敗を避ける
ための“社会的スキル”です。
しかし恋愛になると強度が跳ね上がり、
「自分を見張りすぎる」状態になります。
その結果——
✔ 気になる人の前では
「どう思われているか」>「自分がどうしたいか」
になってしまう。
◆ 好きな人の前で素が出せない3つの脳内要因
① 評価脅威システムの活性化
好きな人=失いたくない存在。
すると脳は、
「嫌われたら終わり」
という“評価脅威”を過剰に感じます。
すると前頭前野がエラー検出モードになり、
- 言葉を慎重に選びすぎる
- 自然な表情が作れなくなる
- 行動がぎこちなくなる
という“過剰な自己管理”が起きます。
② 愛着の警戒モードがONになる
恋愛になると、
愛着スタイルに応じて“警戒”が働きます。
特に不安型傾向の人は、
- 相手の顔色を読みすぎる
- 嫌われないように必死になる
- 自分を後回しにしやすい
という反応が強まります。
③ 鏡のように「自分の印象」を観察してしまう
対人認知の研究では、
恋愛時には 自己焦点化が高まる と示されています。
つまり、
「自分がどう見えているか」
を無意識にチェックしてしまう。
その結果、
- 自然に話せない
- 緊張でパフォーマンス低下
- キャラを盛ってしまう
こうした“素が出ない現象”が起きます。
◆ 素を出せるようになるための3ステップ
STEP1:自分の反応を否定しない
まず知ってほしいのは、
あなたが悪いわけではなく、脳が通常運転しているだけ
ということ。
「緊張するのは当たり前」と理解した瞬間、
脳の警戒は大きく下がります。
STEP2:自己注目を外す
会話中に自分を観察しすぎていると気づいたら、
- 相手の仕草
- 相手の表情
- 相手の感情の変化
に“意識のフォーカス”を移します。
すると自己監視システムが弱まり、
自然体が戻ってきます。
STEP3:少しだけ“素”を出す練習をする
いきなり100%の素を出す必要はありません。
- いつもより少し砕けた言葉
- ちょっとした弱み
- 少し本音
を出すだけでも、
相手との距離は大きく近づきます。
“小さな素直”は、恋愛における最強の信頼構築ツールです。
◆ まとめ
好きな人の前で素が出せないのは、
あなたの性格の弱さではなく、
✔ 恋愛で働く“自己監視システム”が強すぎる
✔ 評価脅威が高まり、脳が警戒モードになる
✔ 少しずつ素を出す練習で自然体に戻る
という脳内メカニズムが原因です。
あなたは“本当の自分”のままで好かれていい。
そのための土台は、今日から作れます。

