「嫌われたくない」
「迷惑をかけたくない」
「頼まれると断れない」
気づけば、いつも“いい人”の役を演じて疲れ果ててしまう。
そんな相談は、組織でも個人でも本当に多いテーマです。
そしてその背後には、
EQ（感情知性）で説明できる「境界線の薄さ」
という共通点があります。
本記事では、
✔ なぜ“いい人”ほど疲れてしまうのか
✔ 消耗しやすい人のEQパターン
✔ 自分を守るための境界線（バウンダリー）の作り方
を、わかりやすく解説します。
1. “いい人疲れ”が起きる心理メカニズム
① 相手の感情を優先しすぎる（過剰共感）
EQが高い人の落とし穴がここ。
- 相手が怒らないように
- 悲しませないように
- 期待を裏切らないように
こうした「相手中心の判断」が続くほど、
あなたのエネルギーは奪われます。
本来、共感は素晴らしい力ですが、
“自分”が薄くなる共感は、ただの消耗源 です。
② 断ることに罪悪感を感じてしまう
いい人の多くは、
「断る＝相手を否定する」
と無意識に思い込んでいます。
しかし実際は、
断ることは相手への否定ではなく、
“自分の資源の管理”にすぎません。
ここを誤解していると、永遠に消耗します。
③ “いい人”でいないと愛されないと思っている
幼少期からの経験で、
- 頑張ったときだけ褒められた
- いい子のときだけ受け入れられた
- 困難を見せると嫌な顔をされた
こうした環境にいた人は、
「いい人＝自分の価値」になりがちです。
しかし、
役割としての“いい人”と、あなた本来の価値は別物。
本来の自分で接しても、離れない人こそ“本当の関係”です。
2. EQでみる「境界線が薄い人」の特徴
① 自分の感情より、相手の感情に敏感
自分の疲れやストレスを感じる前に、
相手の機嫌を読み取るクセがあります。
② 断った後に強い不安や後悔を感じる
「嫌われたかも」「迷惑をかけたかも」
と必要以上に気にしてしまう。
③ “求められる自分”がアイデンティティになっている
役に立つと安心し、役に立てないと不安になる。
3. 自分を守る“境界線（バウンダリー）”の引き方
ここからは実践編。
① 自分の「資源」を理解する
境界線とは“距離”ではなく、
自分の資源を把握すること から始まります。
- 使える時間
- 心の余裕
- 労力
- 体力
- お金
これらを明確にすると、
「無理して引き受ける」頻度が激減します。
② 反射でOKしない「一旦持ち帰る」を習慣化する
いい人の共通点は「即答してしまう」こと。
対策はこれだけ：
“一旦持ち帰ります”
“少し考えてから返信します”
このワンクッションが、
あなたのエネルギーを劇的に守ります。
③ 相手の感情を“責任領域から外す”
境界線の基本はこれ。
- 相手ががっかりする
- 不機嫌になる
- 期待に反する
これらは 相手の課題 です。
あなたの責任ではありません。
④ 小さなNOから練習しよう
いきなり大きなことを断る必要はありません。
- 仕事後の飲み会
- 優先順位の低い依頼
- 無料での相談
- 苦手な人との付き合い
こうした“小さなNO”を積み重ねることで、
境界線は強く・自然に引けるようになります。
4. “いい人”をやめると、関係はむしろ良くなる
多くの人が誤解していますが、
境界線を引いても関係は壊れません。
むしろ、
- 無理のない関係になる
- 相手も距離感を理解する
- 心が軽くなる
- 自分が嫌いにならない
- 仕事のパフォーマンスが上がる
良いことだらけです。
そして何より、
本来のあなたを好いてくれる人が残る。
これこそが、人間関係の安心の土台です。
まとめ：あなたは“いい人”ではなく、“自分”でいていい
“いい人”という役を演じなくても、
あなたには元々、十分すぎるほど価値があります。
境界線を引くことは、
人を拒絶する行為ではなく、
“自分を大切にする選択”。
今日から、小さなNOを練習してみてください。
それが、心が軽くなる最初の一歩です。
