はじめに
「部下が本音を話してくれない」 「チームの雰囲気がギスギスしている」 「指示を出しても、なかなか部下が動いてくれない」
このような悩みを持つ管理職の方は多いのではないでしょうか。
リーダーシップにおいて、最も重要なスキルのひとつが「共感力」、つまり エモーショナル・インテリジェンス(EQ) です。
エモーショナル・インテリジェンスとは、自分や他者の感情を理解し、適切にコントロールする能力のことを指します。
この能力を高めることで、チームの信頼関係が強まり、組織全体のパフォーマンスが向上します。
本記事では、エモーショナル・インテリジェンスの基本概念と、管理職が実践できる具体的な活用法について解説します。
●エモーショナル・インテリジェンス(EQ)とは?
エモーショナル・インテリジェンスは、心理学者ダニエル・ゴールマンによって提唱された概念で、主に以下の5つの要素から成り立っています。
- 自己認識(Self-Awareness):自分の感情を正しく認識し、理解する能力
- 自己管理(Self-Regulation):感情を適切にコントロールし、冷静に行動する能力
- 動機づけ(Motivation):目標に向かってポジティブに取り組む力
- 共感力(Empathy):相手の感情を理解し、寄り添う力
- 社会的スキル(Social Skills):良好な人間関係を築き、円滑にコミュニケーションを取る能力
これらの能力が高いリーダーほど、部下の信頼を得やすく、組織の成功に貢献できるとされています。
●エモーショナル・インテリジェンスが高いリーダーの特徴
エモーショナル・インテリジェンスが高いリーダーは、以下のような特徴を持っています。
- 感情的に安定している:冷静な判断ができ、感情に流されない
- 部下の話をじっくり聞く:共感力が高く、相手の立場を理解しようとする
- ポジティブな雰囲気を作る:感情が伝染することを理解し、チームのモチベーションを高める
- 適切なフィードバックができる:批判ではなく、成長を促す形でフィードバックを行う
このようなリーダーがいる職場では、部下のエンゲージメントが高まり、チームの生産性が向上します。
●管理職が実践できるエモーショナル・インテリジェンス活用法
では、エモーショナル・インテリジェンスを職場で実践するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか?
1. 自分の感情を客観的に捉える(自己認識)
まず、自分の感情に気づき、冷静に向き合うことが大切です。
- 日記をつける:その日の出来事と感情を振り返ることで、自分のパターンを知る
- 感情に名前をつける:「イライラしている」ではなく、「期待が裏切られて怒りを感じている」と具体的に表現する
- 第三者視点を持つ:「もし別の人が同じ状況だったら、どう感じるだろう?」と考える
自分の感情を客観視することで、感情に振り回されることが少なくなります。
2. 部下の感情に寄り添う(共感力)
共感力を高めるためには、「相手の視点に立つ」ことが重要です。
- 相手の話を最後まで聞く:途中で口を挟まず、しっかりと受け止める
- 感情に共感する言葉を使う:「それは大変だったね」「なるほど、そういうふうに感じていたんだね」
- 非言語コミュニケーションを意識する:頷きやアイコンタクトを増やし、安心感を与える
これにより、部下は「自分の気持ちを分かってくれる」と感じ、信頼関係が深まります。
3. チームの感情をマネジメントする(社会的スキル)
リーダーの感情は、チーム全体に影響を与えます。
- ポジティブな言葉を増やす:「よく頑張ったね」「助かったよ」と積極的に感謝を伝える
- オープンなコミュニケーションを促す:「何か困っていることはない?」と定期的に確認する
- チームの雰囲気を意識する:疲れが見えたら雑談を増やす、適度にリフレッシュの時間を取る
リーダーが感情のコントロールを意識することで、チーム全体の心理的安全性が高まり、ポジティブな職場環境が生まれます。
●エモーショナル・インテリジェンスを活用すると、組織はどう変わるか?
エモーショナル・インテリジェンスが高まると、職場には以下のような変化が生まれます。
- 部下のエンゲージメントが向上する:共感されていると感じることで、やる気が高まる
- チームのコミュニケーションがスムーズになる:感情のすれ違いが減り、意思疎通がスムーズになる
- 離職率が低下する:心理的安全性の高い職場では、働き続けたいと感じる社員が増える
エモーショナル・インテリジェンスは、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、意識的にトレーニングすることで、確実にリーダーシップの質を高めることができます。
●共感力を高めるためにラポトークを活用しよう
管理職として「共感力を高めたい」「より良いチームを作りたい」と考えている方は、心理学を活用した研修を取り入れるのが効果的です。
ラポトークでは、エモーショナル・インテリジェンスを活用したコミュニケーション研修や、組織のエンゲージメントを高めるためのサポートを提供しています。
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